第27回 議会報告会 (2月議会・2019年度予算委員会)

2018年4月27日

第27回 議会報告会
(2月議会・2019年度予算委員会)

日本共産党市議団  
代 表 小野寺幸恵
副代表 渡辺  満
幹事長 工藤 良一
幹 事 冨岡  隆

<代表質問> 小野寺幸恵議員

●まちづくりの姿勢について

①カジノを含む統合型リゾートへのチャレンジ
 市長は、「近未来に向けた成長戦略として、ものづくり産業のさらなる集積、臨海ゾーンにおけるロジスティクスの構築、臨空ゾーンにおけるIR(カジノを含む統合型リゾート)などの国際リゾートの展開で、若者が住みたくなり、住んでいる市民が良かったと実感できるまちづくりにチャレンジする」と述べていることから、「市民から共感を得るのは難しい」と批判し、「IRに対する市民理解が深まったと判断しているのか」と質問しました。
 市長は、「26年度から市政方針に示しており、今年で5年目になる。国際リゾートやIRは、20年先を見据えたまちづくりを実践するためにチャレンジする姿勢を示したもの」と答弁しました。
②経済と福祉の両輪
 市長は、就任直後に「地域の経済力と医療・福祉力は車の両輪」との方針から、「経済力をつけ、地域の医療・福祉などを向上させていくことが大切」と述べていたことを示したうえで、今では「支え合う」「助け合う」などの精神的なものに変化していることを指摘。「経済と福祉は車の両輪との姿勢が全く感じられない」と、市長の考え方を質問しました。
 市長は、「就任時から経済と“ふくし”に力を入れて取り組んできた。時代の流れで“支え合う”“助け合う”という概念が求められており、方針には変わりない」と答弁しました。
 ※市長は、福祉を“ふくし”とひらがなで表現することにこだわりを持っています。

●中心市街地の活性化について

①まちなかのにぎわい創出
 市民から、「中心市街地の活性化が全く進んでいない」との厳しい声があることを紹介し、「どのように受け止めているか」と市長に質問。さらに、CAP3(まちなか再生総合プロジェクト~パート3)の最終目標である「日常的なにぎわい創出」はハードルが高いことから、CAPに次ぐ新たな事業展開の必要性について認識を求めました。
 担当部長は、「CAP3の事業に取り組む中で、あらたに効果的な事業を見いだし、まちなかのにぎわい創出に繋げたい」と答弁しました。
②中心市街地の買い物困難者対策
 CAPの柱の1つ「まちなか居住の推進」では、若草町への市営住宅(100戸)や旧産業会館跡地のマンション(72戸)が建設されたものの、依然と生鮮食品の商業施設がなく、買い物困難者対策が課題であることを指摘し、マンション1階のテナントの活用に市が積極的にかかわることを提案しました。
 担当部長は、「中心市街地には十分に買い物環境が整っているとは言えない」との認識を示し、テナントについては「商業施設の出店の動向などを経済界などの関係者から情報収集し、空き店舗の活用に取り組みたい」と答弁しました。

●中小企業振興計画について

 平成25年から党市議団は、先進的な取り組みをしている帯広市を参考にし、中小企業振興計画を作成することを繰り返し提案してきた経緯があり、今議会にやっと「案」が提出されましたが、産業別の取り組みや従業員4人以下が53%もしめる小規模事業者の取り組みが位置づいていないことを指摘しました。
 また、新年度の中小企業振興計画推進事業が新規事業として計上されているものの、2年間でわずか90万円であることから、「市長の心が全く感じられない」と批判しました。
 小規模事業者への支援について担当部長は、「中小企業の振興を行なうことで必然的に小規模事業者の振興につながる」と答弁しました。
 また、計画の進行状況を管理する仕組みの必要性を提案し、各事業を1年間で進行管理し、必要に応じて内容を見直していくことが示されました。
 ※予算委員会でも質疑。P13参照

●雇用環境を改善する取り組みについて

①働き方改革の認識
 安倍政権が目玉政策としていた「働き方改革」の国会審議で、裁量労働制にかかわり300件を超えるデータ捏造が発覚し、首相は全面削除せざるを得なくなった事態について、市長の認識を質問しました。
 市長は、「働き方改革はワークバランスの実現や生産性の向上を目指すためにも重要。その実現に向け、しっかりとした議論が必要」と、噛み合わない答弁でした。
②無期転換制度の推進
 労働契約法の改正により、有期雇用の方が同じ職場で5年を超えて契約更新を繰り返した場合、本人が申し出ることで期限のない無期雇用に転換させる制度(無期転換制度)が5年目を迎え、その権利を得る労働者が生まれることから、市が業務委託や指定管理している事業者への指導を行なうよう求めました。
 担当部長は、「所管課から適切な対応をするよう周知をしている。また、相談があった場合は北海道労働局や苫小牧労働基準監督署と連携して対応する」と答弁しました。 
 また、無期雇用を希望する方の権利を守るために広く市民に周知することとあわせ、雇い止めが起きないように、企業に対し制度導入のメリットなどを周知することを提案し、市の取り組みを求めました。
 さらに、企業では無期転換制度における労働条件や就業規則などの整備が必要になることから、市が必要な支援を行なうことを提案しました。
 市民周知について担当部長は、「市のホームページや広報とまこまい、フェイスブックの活用など、様々なツールを使って周知したい」と答弁し、雇い止めの取り組みについては「市内企業が円滑に制度を導入できるよう、キャリアアップ助成金や導入事例などの情報を発信したい」と答弁しました。
③市職員の処遇改善
 無期転換制度に該当しない嘱託職員の処遇改善のために、新年度から正規職員と同等の身分を保障する「任期付職員」に置き換えることが計画されていることを評価し、「約300名の嘱託職員を平成32年までに移行する計画になっている。着実に実行してほしい」と、進め方について質問しました。
 担当部長は、「今年4月から、福祉部の資格職を中心に約60名を任期付職員に移行したい。全ての嘱託職員の任期付職員への移行を基本にして、段階的に進めたい」と答弁しました。

●財政健全化と行政改革プランについて

①これまでの行革の総括
 財政健全化のために取り組んできた行政改革プランでは、職員の給与削減と正規職員の大幅削減、積極的な民間活用を進めた結果、10年間で318名も職員が削減されたことから、党市議団は事務処理ミスの原因ではないかと指摘してきました。
 新年度からの行政改革プラン・ネクストステージを進めるにあたり、市民サービスの向上の観点から「これまでの行革の総括が必要」と、市の見解を求めました。
 担当部長は、「民間活力を活用しながら職員数の削減を行ない、行政費用を抑制した結果、財政状況が改善に向った」との評価を示し、今後の方向性について「民間に委ねられるものは委ね、つけかえの手法で福祉部門に職員を重点的に配置して市民サービスの向上を図りたい」と答弁しました。
②住民課・会計課窓口、市営住宅管理業務の民間委託
 行革ネクストステージでは、これまで「費用対効果が低い」との理由で見送られてきた住宅管理人事務所の民間委託を再度盛り込んだことについて「理解できない」と指摘。また、住民課と会計課窓口も民間委託する方針であることに対し、「大事な市民の個人情報を扱う窓口を民間委託するのはなじまない」と、反対の立場で質問しました。
 担当部長は、「市営住宅は、管理人事務所業務だけではなく住宅管理業務全般についての民間活力を進めたい」と答弁。住民課・会計課窓口については、「市民サービスの維持・向上の立場で民間の能力やノウハウが生かされる業務を選定した」と答えましたが、「どうやって個人情報を守るのか」との再度の指摘に、「総務省から出されている地方公共団体の窓口業務における適正な民間委託に関するガイドラインに沿って適切に進めたい」と説明しました。
 ※予算委員会でも質疑。P10参照
③基金の柔軟な活用
 市長は財政調整基金の目標を20億円としていましたが、29年度末には37億円になる見込みであることを指摘し、「住民の福祉の増進、市民の安全安心のためには財源が必要。使うときは使う、貯めるときは貯めるという柔軟な活用が必要」と提案しました。
 担当部長は、「社会保障経費などの増にともない財源不足が予想されるため、将来の財源不足に備えつつ、必要な場合には基金を活用したい」と答弁しました。

●市民自治の推進

 市の情報公開条例施行規則では、「電磁的記録を出力装置により印字して交付する」となっているため、情報公開を求めた市民から、「大量の枚数の紙で交付された」「データで欲しいと言ったが断られた」との声があることを紹介。「北海道ではデータで出せるように平成15年に条例を改正している」「市民との情報共有の促進と事務の簡素化にもなる」と、市の規則改正を提案しました。
 担当部長は、「最近は請求文書が大量であるため、CDなど電磁記録媒体での交付の問い合わせがある。北海道などを参考に、制度設計を検討したい」と答弁しました。

●子どもの貧困対策について

①子どもの貧困率
 平成25年から市は、子どもの貧困率を13.47%から24.01%と答弁してきましたが、28年度は11.3%と説明したことについて理由を求めました。
 担当部長は、「これまではこども支援課が有するデータで、手取り所得をもとに試算してきた。28年度は関係部署の協力を得て膨大なデータを国際基準に近い方法で算出し、より精度を高めた結果だと捉えている」と説明し、「数値では見えない貧困による不利や困難などを捉えていきたい」と答弁しました。 
②子どもの貧困対策と学習支援
 北海道が実施した「子どもの生活実態調査」では、貧困世帯の高校や大学の進学率が低く、中退率が高い傾向が明らかになり、党地区委員会が成人式で実施したアンケートでも、経済的な理由で大学進学をあきらめた方がいたことを紹介。また、生活保護世帯の高校中退率が北海道(3.6%)と比較しても苫小牧市(3.9%)が高いことからも、市の対策を求めました。
 担当部長は、「ひとり親などの自立や就労支援の事業継続のほか、今ある施策をより良いものにできないか、子どもの貧困対策部会において推進したい」と答え、生活保護世帯への支援については、「高校卒業を最低限の目標とし、さらに大学などへの進学が選択できるよう支援していきたい」と答弁しました。
 さらに、苫小牧市が実施している子どもの学習支援事業に対し、「自転車で通える近所であれば参加したい」という声が45%もあることが市のアンケートで明らかになり、中学校区ごと、あるいはコミセンでの開催を提案。「事業の拡充について検討したい」と答弁しました。
③奨学金の利子補給制度
 苫小牧駒澤大学の支援策として党市議団が繰り返し提案してきた奨学金の利子補給について、実施する方向性が示されていましたが、京都育英館への移管問題で棚上げになっていました。
 昨年12月議会で再度実施を求めた際、「導入に向け協議する」と答弁しており、「人口減少対策にもなり、学歴は貧困の連鎖の1要因、学びたいという子どもの支援は大切」と、子育て支援の一環として早期の実施を求めました。
 担当部長は、「利子補給は、重要な施策」との認識を示し、31年度から実施する方針を示しました。さらに、市内の大学卒業後に苫小牧の企業に就職した者や、市外の大学から苫小牧へ就職した者を対象に、奨学金の元金を支援する制度を検討していることも明らかになりました。

●高齢者の支援策について

①障害者控除の推進
 障害手帳の交付がなくても介護認定を受けている方も対象になる障害者控除について、平成18年の174名から28年は342名まで増加していることを評価し、さらなる周知を求めました。
 また、介護認定者が障害者控除を受けるためには、市から「障害者控除対象認定書」の交付を受ける必要がありますが、交付事務取り扱では「身体障害者手帳などを有しているものは除く」とあります。たとえば、障害者手帳が3級の場合は「普通障害者」となり控除額は所得税で27万円です。しかし、その方が介護度が高い場合「特別障害者」となり控除額は40万円となりますが、障害者手帳の交付を受けていることで「特別障害者」には該当しません。
 平成14年に厚生労働省から「障害者手帳を有している者と有していない者に不公平が生じないように認定を行なうことが必要」との通知があることを示し、「所得税法の納税者有利の原則から、公平性に欠ける」と、ルールの改善を提案しました。
 担当部長は、「是正が必要」との認識を示し、「障害者手帳交付を受けている高齢者も対象にしたい」と答弁しました。
②認知症対策
 昨年8月に、81歳の女性が80歳の夫を足で踏みつけて死亡させたという痛ましい事案がありましたが、苫小牧市は平成25年に国のモデル事業である「認知症初期集中支援チーム」を設置するなど先進的な取り組みをしてきたにもかかわらず、未然防止できなかったことについてどのような総括を行ない、今後の介護計画に生かしていくのか質問しました。
 担当部長は、「未然に防ぐことができず大変痛ましく感じている」と述べ、「地域包括支援センターやケアマネージャーとともに丁寧に事例検討を重ねて再発防止に取り組みたい」「専門職の支援のみではなく、地域住民の支援体制も強化したい」と答弁しました。

③医療・介護・みとりの連携
 医療・介護・みとりの連携推進のために、昨年1月に医療介護連携センターがスタートしましたが、往診などの在宅医療ができる医療機関の拡充と看護師、介護士不足の解消が課題になっていました。センターの設置から1年が経過した現状で、課題解決の見通しがあるのか質問し、あわせて医療機関の実態把握と往診の可能性などを話し合うために、市と医療機関の懇談を提案しました。
 担当部長は、「すぐに解決できるものではないが、今ある社会資源の中で進めていく必要がある」との認識を示し、「センターが医師会や歯科医師会、薬剤医師会、介護関係者などと連携を深める取り組みを行なう」と答弁しました。

●安全安心のまちづくり

①高齢者等が入居する施設の安全対策
 11名の尊い命が奪われた札幌東区の自立支援施設の火災があった翌日に、消防庁から「防火対策に係わる注意喚起について」という通知が出ていることを示し、消防本部はどのような対応をしたのか質問しました。
 消防長は、「通知を受け、福祉部と都市建設部との合同立ち入り検査を実施した」と説明しました。また、市消防本部は安全を考慮し、消防庁が指示する調査対象(寄宿舎及び下宿の用途で、昭和50年以前に建築され、木造2階建て以上かつ延べ面積150㎡以上)を拡大して実施していたことを説明しました。
 また、苫小牧では25カ所の未届け有料老人ホームの安全対策として、消防本部、福祉部、都市建設部の3部合同で全施設を調査し、消防設備整備を推進してきたことを評価し、「札幌と同様の火災から命を守るために、苫小牧の先進的な取り組みを全道・全国に発信するべきではないか」と提案しました。
 担当部長は、「未届け有料老人ホームでの調査が教訓となった。この有機的な3部連携を好事例として、今後他市が集う場で紹介していきたい」と答弁しました。
 さらに、「国の法整備により生活困窮者や身寄りのない方、住む場所を失った方などを受け入れる仕組み(自立支援施設)はできたものの、安全対策が不十分」と指摘し、「安全対策こそ国の責任で法整備を進め、財政的な手当を図るべき」と、国に要望することを提案しました。 
 担当部長は、「全国的な課題であり、要望していきたい」と答弁しました。

②米軍・自衛隊のヘリコプター等の事故について
 2月20日に、米軍三沢基地のF16戦闘機のエンジンが発火し、青森県東北町小川原湖に燃料タンクを投棄する事故が起りました。事故直後に東北町の町長は、三沢基地の司令官に飛行の中止を求めましたが、翌日に飛行が再開されたことを受け、首長の要請を全く聞かない米軍の現状に対する市長の認識を求めました。
 市長は、「大変遺憾であり、国民、市民の不安につながる要因」との認識を示し、「地方自治体の立場に立って、国がしっかり対応すべき問題と考えている」と答弁しました。
 また、千歳基地を離陸した戦闘機が同様の事故を起こした場合、ウトナイ湖や勇払の海岸に燃料タンクが落とされる可能性があることを示し、「飛行ルートなどの情報提供を求めても公表されない現状で、どのように市民の安全安心を確保するのか」と市長の考え方を質問しました。
 市長は、「市街地上空や低空飛行を避けるように要請している」と説明し、「情報開示が難しいと聞いているが、防衛省本省に直接出向き、お願いしている」と答弁しました。
 さらに米軍機事故が頻発するなか、ニュースのコメンテーターが「政府は抗議をしたというが、高い壁に向って抗議文を読んでいるだけのようなもの」と、日米地位協定のもとでは建前だけの抗議であると批判的な発言をしていたことを紹介し、あらためて日米地位協定の見直しについて全国市長会で協議することを求めました。
 市長は、「日米地位協定は戦後70年を経過したなかで時代にそぐわない部分がある」との認識を示しましたが、「両国政府間で合意したものであり、国で対応する問題」と答弁しました。
③アスベストを含む建築物の解体と市民の安全安心について
 駅北口の旧トマモール解体工事において、昨年11月27日に大気汚染防止法と労働安全衛生法違反で元請業者が作業停止命令を受けた問題で、1月31日に3回目の「改善計画書」の提出がありましたが、いまだに工事再開に至っていない理由について質問し、工事再開の際には住民説明会を開くことや、発注者と元請業者による記者会見の実施を求めました。
 担当部長は、「計3回の改善計画書の提出があったが、市民の安全安心を確保できるという判断には至らなかった」と説明し、住民説明会については「元請業者に求めていきたい」と答弁しました。また、記者会見については「説明責任や事実を調査し謝罪するよう、1月18日に文書で求めている。」と明らかにしました。
 また、解体現場のいたるところに置いてあるブルーシートをかけたガレキの山にもアスベストが含まれており、写真ではアスベストが土壌に散乱しているのも確認できることから、「この現状がアスベスト除去を難しくしている要因ではないか」と指摘しました。
 さらに、作業停止命令になったのは、アスベストが付着した15mの柱2本を飛散防止剤を噴霧せずに地面に倒し、密閉も負圧もしていない場所でアスベストの除去作業をしていたことがきっかけとなりました。そのうえ、翌日にはスクラップ業者に有価物として引き取らせるという「証拠隠蔽」ともいえる対応をしていたことだと厳しく指摘し、「アスベストを除去してから有価物として搬出したのか疑念がある」と、事実確認を求めました。
 担当部長は、「産業廃棄物を所管する北海道に確認したところ、違法な行為は見受けられなかったと聞いている」と説明し、「北海道に対し、さらなる指導強化を要請した。今後、不適切な行為がないよう立ち入りや情報提供を密にしていく」と答弁しました。
 最後に、ずさんなアスベストの除去作業の教訓から、30年度からスタートする第3次環境基本計画にアスベスト対策を位置づけることを提案。「アスベスト使用の可能性がある建築物の解体が2028年(平成40年)にピークになる」と、計画に位置づけることが約束されました。
 ※予算委員会でも質疑。P11参照

●学校教育の向上について

 学力向上を目的に、4つのプラン※から構成される「学校教育向上マスタープラン」が作成されましたが、「学校教育のマニュアル化、教え方の画一化の推進になり、教員の自主性や創造性が保障されなくなる」と指摘し、教育長の見解を求めました。
 教育長は、「全ての地域で等しく同等の教育を受けさせることが求められており、その行動指針がマスタープランであり、調査等により本市の課題を把握して公教育を確保する最低限の枠組みを示したのが各アクションである」と説明し、「マニュアル化を目的としたものではない」と答弁しました。
 また、マスタープランの1つである「体力向上プラクティスプラン(練習・けいこの意味)」では、握力や上体起こし、前屈などの8項目で学年別の数値目標を設定しており、さらに「体力向上の取組指標や成果指標の学校評価への位置づけ」との記載があることを示し、「数値目標の成果が学校評価につながるのであれば、子どもへの指導強化につながるではないか」と、教育長に質問しました。
 教育長は、「プラクティスプランの目標数値は全国平均の数値を示しており、子ども達1人1人は自分なりの目標を持って取り組むよう各学校にお願いしている」と答弁しました。
 ※4つのプラン:①学力向上アクションプラン
         ②特別支援教育アクションプラン
         ③体力向上プラクティスプラン
         ④道徳教育推進計画

一般会計予算委員会

<渡辺満議員の質問>

●公用車のリース契約について

 平成13年度から26年度までの公用車リース導入計画をふまた132台のリース化が進められてきましたが、ライトバンがA事業者から13年間、軽自動車がB事業者から11年間も連続して契約していることを指摘し、「同じ事業者が長期にわたり落札している要因は何か」と質問しました。
 担当部局は、「落札結果には疑念を感じるが、指名競争入札を行なっており、他の業者より競争力が上回っている」と説明し、「公平性や透明性の観点から100%良いことではないので、指名業者の意見を聞き入札仕様書を改善したい」と答弁しました。
 また、他の分野で長期継続契約になっている実態を質問すると、148件あることが明らかになり、早急に改善することを求めました。

●漁港区の違法建築物について

 漁組が漁港区に建設した違法建築物(現在21棟)を港管理組合が使用許可を出していた問題で、平成24年から繰り返し改善を求めてきた経緯があり、昨年7月にやっと是正計画書が策定されました。しかし、市、港管理組合、漁組の3者でパトロールを行なったところ、7棟が新たに建設されていることを黙認していたことが明らかになり、厳しく追及しました。
 市長は陳謝し、「早急に3者協議を行ない、是正計画書の完全履行を強く求めたい」と答弁しました。
 また、漁組が港管理組合に申請もせずに21棟の違法建築物の使用をしていることを指摘し、時効になっていない5年間分の使用料を追徴することを提案しました。
 担当部局は、5年分で70万円になることを明らかにし、追徴することが約束されました。

<小野寺幸恵議員の質問>

●市民ホール(仮称)と都市計画マスタープラン

 基本計画に市民ホールが位置づいたことをふまえ、現在改正作業を進めている都市マスタープランに市民ホール建設予定地周辺をどのように位置づけるのか質問しました。
 担当部局は、「有識者の検討委員会で協議している」と説明し、「人口減少・少子高齢化を見据え、中心市街地を都市拠点の形成として進めたい」と答弁しました。
 また、市民ホールが東小学校跡に建設することにより駅からの動線がうまれ、中心市街地の活性化に寄与することから、「近隣には総合体育館や文化会館、労働福祉センターなどがあり、用途廃止や建替えなど、今後どうするかが課題になっている。その将来像を描く中で方針を定め、市民ホール周辺全体の土地利用を考えた都市計画にすることが重要」と提案しました。
 市長は、「市民ホールによって人の動線ができる一方、市民の行動が変わってきた部分もあり、時代にあったまちづくりが必要。市民ホールは中心部の非常に大きな拠点施設になるため、都市計画マスタープランにしっかり位置づけていきたい」と答弁しました。

●総合窓口設置と住民課窓口の民間委託

 31年10月から住民課窓口の民間委託を進めていることについて、「総合窓口は市民サービスの向上になり賛同できる」と前置きした上で、「総務省のガイドライン(地方公共団体の窓口業務における適正な民間委託に関するガイドライン)を見たらますます不安が広がった」と問題点を指摘しました。
 ガイドラインでは、民間委託業者に対し市の職員が指揮命令などを行った場合「偽装請負」となり、善意で助言したとしても指揮命令とみなされる恐れがあることを示し、「パーテーションなどで民間委託業者と市職員の執務を区分しなければならず、逆にサービスの低下につながる。こんな面倒なことをしてまで何故民間委託をするのか」と追及しました。
 市長は「委託事業者との信頼関係で改善できる。苫小牧モデルとしてチャレンジしたい」と答弁したため、「信頼関係を深めるというが、善意で助言しても偽装請負となる。信頼関係とは別の問題」との指摘に、市長は「ガイドラインは極論を書いているような気がする」と答弁。一方、担当部局は「ガイドラインに沿って進め、懸念を1つ1つ払拭したい」と答弁しました。
 また、ガイドラインでは「個人情報の取り扱いが最も懸念事項」とされていることについて指摘し、「業者選定基準では損害賠償のための財務力があることが条件になっている。さらに委託業者の職員には私物を持ち込むことを禁止し、持ち込む場合は透明なポーチなどに限定するようにとある」と紹介し、個人情報の漏洩に不安な民間委託はやめるよう求めました。
 さらに、窓口業務の民間委託は総務省が推進しているものであり、国のトップランナー方式※にもとづくものであることを指摘し、「不安が払拭されず民間委託を断念しても交付税の削減というペナルティがある。とんでもない制度ではないか」と、市長の認識を求めました。
 市長は、「地方自治体の窓口業務の実態をわからない国の役人が考えたものだと思う」と述べながらも、「市民に迷惑をかけないよう、今日の指摘をしっかりと胸におさえ準備を進めたい」と答弁しました。
 最後に、「準備をすすめるなかで“苫小牧では無理”“直営のほうがいい”という結果になった場合、民間委託ありきではなく計画変更も大事。市民の情報を守る立場で検討してほしい」と要請しました。
 ※トップランナー方式:平成28年度から導入され、民間活用などの行政改革が遅れている地方自治体への交付金を削減する方式。すでに、28年度から4,800万円の削減がされています。

●沼ノ端の証明発行所の存続について

 30年10月から、鉄南地域の沼ノ端証明発行所が出張所に昇格して駅北地域に移転する問題にかかわり、先の議会で「鉄南地域は高齢化率が高く、移転すれば多くの住民が困る」と、利用者の年齢構成を示して存続を求めた経緯があります。その際市長は「ランディングできないか検討したい」と答弁していたため、市長の考え方を質問しました。
 担当部長は「存続は難しい」と答弁しましたが、市長は「ソフトランディングを前提に考えたい」と食い違う見解を示したことから再度ただし、市長は「数百万程度なら存続したい」と答弁し、財政面での検討を約束しました。
 後日、1,000万円程度が必要だとの試算が出たため、市長は「存続はできない」との判断をしました。

●幼稚園・保育園のフッ化物洗口について

 幼稚園や保育園でフッ化物洗口事業を実施する方針について、「小さい子どもは飲み込みなどのリスクが高い。不安なものをなぜ実施するのか。虫歯予防には歯磨きが大切であり、上手に磨けるように指導することこそ重要ではないか」と保育現場からも危惧する声があることを紹介して質問しました。
 担当部局は、「歯磨きが重要との認識は持っているが、フッ化物洗口は永久歯を虫歯から守るために有効」と答弁しました。
 また、「誤飲や健康被害を心配する声も多い」との指摘に、「ぶくぶくの練習をして確認し、上手にできない子は真水を使う」と説明し、「保護者の理解や園の職員の理解をしっかり得て進める」と答弁。リスクもあることを保護者に伝えたうえで理解を得るよう求めました。

●トマモールのアスベストについて

 トマモールのアスベスト問題で、解体工事の元請業者に対し法令違反として作業停止命令が出されましたが、「発注者責任も大きい」と指摘し、発注者への対応を求めました。
 担当部局が「法令順守をすべきなのは元請業者である」と答弁したのに対し、「解体現場にはマルハンと書いてあり、市民や観光客の目にもとまる。テレビコマーシャルまでやっている企業であり、社会的責任を果たすのは当然」と市長の認識を求めました。
 市長は、「道義的、社会的には私もそう思う。市民が不安を感じているのは事実であり、しっかり対応するのが発注者たる企業がやるべきこと」との認識を示しました。
 また、市の融資制度ではアスベストの除去や解体は該当しないことから、中小企業支援と適切なアスベスト除去の観点から融資制度を拡充することを提案しました。
 担当部局は、「アスベストの除去には多額の予算規模が必要。関係部局と協議していきたい」と答弁し、財政部長は「協議の推移をみて、担当課の判断を尊重したい」との認識を示しました。

●大規模養豚場建設について

 千歳市駒里地域おいて、山中畜産と長沼町が今年2月10日までを工期として大規模養豚場の建設を進めている問題で、悪臭や美々川への影響などについて繰り返し指摘してきましたが、「工期を守らなければ補助金がもらえないと長沼町から聞いているが、現在工事が止まっている」と、現状について説明を求めました。
 担当部局は、「国・道で工期の延長を協議していると聞いている。22棟のうちまだ1棟しか出来ておらず、仮に3月31日まで工期を延ばしたとしても完成は難しい」と説明しました。
 さらに、財政部長に対し「工期が守られなかった場合でも補助金はもらえるのか」と質問。「ケース・バイ・ケースであり、新たな補助金をもらえる場合も考えられる」と説明しました。
 また、苫小牧への影響が大きいだけに、しっかりと情報共有できる仕組みをつくるよう市長に要請しました。

●騒音測定器の設置について

 昨年12月の特別委員会において、戦闘機やヘリコプターの飛行が増えており、オスプレイまで飛行したことから、西部地域にも騒音測定器を設置することを求め、設置する方向で検討されていました。しかし、新年度予算に計上されていないことから、設置についての考え方を質問しました。
 担当部局は、「今、設置場所の検討をしており、仮設にはなるが30年度中の設置を考えている」と答弁しました。

●生ごみの資源化について

 これまで、将来を見据えたごみ行政を考える中で生ごみの資源化は重要であることを他市の取り組みを紹介して提案し、「他市を調査、研究する」と答弁していたことから、進捗状況を質問しました。
 担当部局は、「現段階ではリサイクル率の高いまちに着目して調査をしている。たとえば富良野や喜茂別などは50%になっており、どうやって取り組んでいるのか調査をし、苫小牧でやれるかどうかを検討している」と答弁しました。
 また、党市議団の提案で生ごみの資源化が基本計画に位置づけられましたが、15年後には沼ノ端のごみ焼却施設の更新を控えており、生ごみの資源化の有無が施設規模に大きく影響することから、「生ごみの資源化について結論を出す時期を決める必要がある」と提案しました。
 担当部局は、「長寿命化が完了し今後15年間沼ノ端の焼却施設を使うことになるが、10年前には新施設の計画を立てなければならないことから、生ごみの資源化の結論は5年位がゴールになる」と答弁しました。

●戸別収集について

 市長公約に掲げていたごみの戸別収集について、現在モデル事業として取り組んでいますが、収集業者が走りながら収集するため大きく負担が増えていることから、「これ以上の拡大は難しいのではないか。市長公約であっても見直すことも必要」と、市長の見解を求めました。
 担当部局は「アンケートの結果、約7割に好評である」と示した上で、不適切な排出が少なくなり、ごみの量も減った」と説明し、市長は「思ったより費用がかかり、作業負担も大きい」と述べ、「収集業者の人的確保の問題や費用対効果を検証して判断したい」と答弁しました。

●子どもの貧困と子どもの医療費助成の年齢拡大について

 市長は、先の議会で党市議団が子どもの医療費助成の年齢拡大を提案した際、「相対的貧困の分析が必要」「子どもの実態をつかむことが必要」と答弁していたことから、この2つの課題で質問しました。
 まず、相対的貧困率は、平成11年は9.1%でしたが年々上がり、26年は9.9%まで高くなっており、貧困線も11年の157万円から26年は133万円と下がっている実態を示し、「貧困線が下がっているということは、これまで貧困に数えられていた世帯が外されたことになる。その中で相対的貧困率が上がっているということは、国民全体の暮らしがさらに大変になっていることを現している」と、子どもの医療費助成の年齢拡大の必要性を求めました。
 市長は、「算定根拠が難しい概念を持っている」などと答弁したため、「このデータは、国が5年ごとに実施している全国の消費実態調査結果であり、厚生労働省が発表しているもの」と、公式なデータであることを示し、「子どもの医療費助成年齢拡大実施の1つの指標になる」と、市長の認識を求めました。
 市長は、「単に子どもだけではなく、都市戦略としてもう少し広い課題で捉えていきたい」と答弁しました。
 また、子どもの実態をつかむ手法として、東京大田区で剥奪指標を利用し、小学校5年生全員とその世帯を対象に実態調査をしていることを紹介し、「調査結果から子どもの応援プランを策定して取り組んでいる。苫小牧でも実施できるのではないか」と提案し、市長の認識を質問しました。
 市長は、「大田区の取り組みは参考になる。データが必要なので調査したい」と答弁し、「普通の子が得られていることが得られていない格差が広がっていることに危惧している」との認識を示しました。

●中小企業進行計画推進事業について

 新年度に計上している中小企業進行計画推進事業45万円について質問し、販路拡大のためのセミナー費用であることが明らかになりました。そのうえで、中小企業全体の53%(4,101事業所)が従業員数0から4人の事業者であることから、その職種について質問し、「販路拡大が小規模事業者に求められている支援なのか」とただしました。
 担当部局は、「職種の詳細は把握していない」と答弁したため、「職種を把握しないで作った計画なのか。どうやって小規模事業者の支援をするのか」と指摘。「中小企業進行計画の3本の柱※が中小企業共通の課題であり、各事業を進めることで小規模事業者の支援になる」と答弁しましたが、「実態把握をしていないのに、なぜ共通の課題だとわかるのか」と追求して実態把握をするよう求めました。
 また、平成24年度が77,931人だった個人市民税の納税義務者が28年度は80,317人に増加していることを示し、「労働条件の改善なども考えられるが、個人事業主や家族経営などが増えているのではないか。実態をつかんで求められる支援をすることで、人口減少のなかでも税収を上げることができる」と現状について質問しました。
 財政部局は、「個人事業主を含む営業所得の納税義務者は年々増加し、28年は17名増え2,386名となり、29年度は37名増え2,423名となっている」と説明し、「小規模事業者の支援は税収につながる」と答弁しました。
 ※3つの柱:①創業促進及び経営基盤の強化
       ②人材確保・育成及び事業継続の円滑化
       ③販路拡大及び需要開拓の促進

●駅自由通路の看板について

 苫小牧駅改札前にある大きな観光案内看板が古いことや、駅自由通路頭上にある横断幕を設置する板が白地のままであることについて、「駅南は閉鎖したエガオやエスタビル、駅北は解体途中の旧トマモール、そのうえ改札口を出たら時間が止まってしまっていては“これが17万人都市か”と感じてしまう」と、元気な苫小牧をPRできる看板に更新することを提案しました。
 市長は、「全く関心を持って見たことがなかったが、朝・夕と数千人が出入りするポイント。身近なPRをどうするべきか、新鮮な指摘だと感じた」と述べ、「あらためて見てきて、何とかしたい」と答弁しました。 
 ※議会後、市長は現場を確認したうえで「改善したい」と回答しました。

●学校給食の充実と多子世帯への支援について

 平成25年度に学校給食費を値上げする際、物価の上昇と給食の充実を理由にしていたことから、値上げ後の給食の充実内容について質問しました。
 担当部局は、「デザートや味付けご飯の回数を増やしたり、行事食を増やしてきた。また、26年度から中学3年生を対象に最後の思い出のメニュー(市議団提案)としてデザート出している」などと説明しました。
 しかし、24年度は29回だったデザートは25年度に42回になりましたが、29年度には35回に減少。味付けご飯は、24年度1回から25年度は4回に増えましたが、29年度は2回に減少している現状を示し、「さらに物価が上昇し、値上げの検討が必要な時期に来ているのではないか」と質問しました。
 担当部局は、「25年度を基準に物価が5%を超えた場合は値上げを検討することにしており、29年度は5%を超えた」と説明し、30年度は値上げを据え置き、31年度に検討する方向性を示しました。
 値上げをふまえ、多子世帯の負担が大きくなることから、「保育料などのように、2人目半額、3人目無料などの支援ができないか」と求めましたが、教育長は「市長がお金を出すと言えばできるが、提案されたことは考えていない」と答弁。市長は「給食は食べたものを負担してもらうもの」と述べたうえで、「給食費の減免は初めての提案。少し時間はかかるが、市として取り組むべきか考えてみたい」と答弁しました。
 学校給食費の負担のない就学援助世帯と生活保護受給世帯は約2割であることから、残り8割が給食費を支払う世帯であり、そのなかでどのくらい多子世帯があるのか資料提出を求め、今後支援の必要性について協議していくことを提案しました。
 また、学校給食費の収納率が年々あがり、28年度は98.78%でしたが予算では収納率を98.5%と見込んでいることから、「メニューの充実の観点から、現状にあった収納率で予算を立てたり、100%に近づけることはできないか」と質問しましたが、「収納率が下がったら食材費の減額をしなければならないため、確実に収納できる収納率を設定する必要がある」と答弁しました。
 そのうえで、「現状で、給食の充実は何ができるのか」と質問。「もう1品は難しいが、ふりかけなどを付けて、ご飯が食べやすいようにしたい」と答弁しました。

企業・特別会計予算委員会

冨岡隆議員の質問

●国民健康保険会計

 4月から国民健康保険事業が市の運営から北海道に移行(都道府県化)することにより、全道的に保険税(料)を値上げする自治体があるなかで、市は9,600万円の基金を活用して新年度の値上げを抑えたことを評価し、次年度からも基金を活用して保険税が上がらないように対応することを提案しました(30年3月末の基金残は5億8,000万円の見込み)。
 担当部局は「保険税の増額幅が大きい道の参考基準を設けることなく、市独自の方法で加入者の負担が抑えられる税率を設定したい。財政状況の推移をみて基金の活用も検討したい」と答弁しました。

●介護保険会計

①包括支援センターについて
 これまで包括支援センターの業務量が増えている実態から、職員増員のための委託料の増額や7ヵ所体制から8ヵ所体制にすることなどを提案してきた経緯があり、30年度からの第7期介護保険計画に反映したい旨の答弁だったため、あらためて体制強化について質問しました。
 担当部局は、「1ヶ所あたりの相談件数が毎年3,000件以上になり、27年度から職員3名体制から4名にしてきた」と説明。さらに第7期介護保険計画策定に向けた業務量調査の結果、1人あたりの相談が複数回・長時間化になっていることから、さらなる委託料の増額が必要との考え方を示し、30年度から1ヶ所あたり250万円の増額し、7ヵ所全体で1,750万円の予算増とすることを明らかにしました。

②介護職員の人材確保について
 本市でも介護職員不足が深刻な現状から、新年度の取り組みについて質問しました。
 担当部局は、29年度から実施している介護職員就業支援事業費を30年度は1.7倍にし、介護資格取得者の定員を30名から40名に拡大することを明らかにしました。
③介護施設の待機者対策
 特別養護老人ホームの待機者は2月末現在216名となっていることから、待機者対策を求めました。
 担当部局は、30年から32年の3年間の新計画のなかで特養の100床増設して640床にし、認知症グループホームは新たに3ヶ所(54床)を新設して498床にすることを盛り込んでいることを明らかにしました。

④国への要望について
 介護保険制度は、職員の処遇改善や地域包括支援センターの充実、特別養護老人ホーム建設などを進めれば進めるほど保険料が高くなる仕組みであることを指摘し、「国の負担が2割であることが最大の問題。これを引き上げない限り制度は破綻する」と指摘し、国に要望することを提案しました。
 担当部長は「第8期計画、第9期計画がどのように推移していくのか危惧している」と述べ、「保険料の大幅引き上げを抑えるためには、3割は国の負担が必要と考えている。国に要請もしていきたい」と答弁しました。

●後期高齢者医療会計

 新年度から保険料の特例軽減が廃止されることにより2,359名が影響を受け、年間12,900円も負担増になる高齢者がいることが質疑で明らかになり、「6割を超える所得無しの高齢者や所得の低い方からも保険料を徴収するひどい制度である」と指摘し、制度の廃止を求めました。
 また、道が財政安定化基金を大幅に削減したことにより保険料率が引き上がり、市民への負担が生じたことから、基金を活用して値上げを抑えるよう国や道に対し強く要請することを提案しました。
 担当部局は、「広域連合を通じて道に要望していく。全国の連合協議会では国に対しても要望している」と答弁しました。
 最後に、「後期高齢者医療制度は、年収15万円以下の高齢者からも保険料を徴収するひどい制度であり、制度撤回しかない」と述べ、予算に反対しました。

<反対討論>

 質疑の中でも述べたように、わずかな年金から保険料を取る。もっと言えば払いたくても払えない人からも保険料を取るひどい制度であり、廃止以外にないことを強く指摘させていただきました。
 今回の税率改定に伴い、所得割の特例軽減が廃止されることによって新たに被保険者の11%を超える2,359人、影響額はなんと約1,569万円にも及ぶことが明らかになりました。
 しかも最高額で12,900円もの負担増になるなど生存権すら守られない状況となっており、とても認めるわけにいけません。
 よって、平成30年度後期高齢者医療会計に反対いたします。

●市立病院事業会計

①医師確保について
 市立病院の果たしている役割として、市民の命と健康を守るために医師の確保は何よりも重要であることを述べ、これまでの取り組みについて質問しました。
 担当部局は、「毎年医局を訪問し医師の派遣をお願いしている。医師数は80名を目標にし、現在は79名の体制になっている」と答弁し、産婦人科については5名を維持しながら、呼吸器内科とともに、常勤医がいない皮膚科、神経内科、精神科の採用に努めていく考えを明らかにしました。
②経営改善について
◇消費税の影響について
 「消費税増税は病院経営にとって重要な問題」と指摘し、現在8%の消費税で市立病院にどの程度の損税(負担)が発生しているのか質問しました。
 担当部局は、「3億3,000万円の損税が発生し、病院経営に大きな影響がある」と答弁。来年10%になると4億1,000万円の損税になることを説明し、さらなる経営への影響があることを明らかにしました。
 また、損税が病院経営に大きく影響することから、消費税10%の増税中止を国に求めることを提案。副市長は「自治体病院協議会でも共通の認識を持っている。自治体として負担が大きいことから、いろいろなかたちで行動し強く要請していきたい」と答弁しました。

◇診療改定について

 今回の診療改定(改悪)は、重症患者を多く受け入れなければ加算されない内容になっており、医療難民・介護難民は続出するひどい内容であることや、中規模病院では入院基本料の減収にともない経営が圧迫されて体制の縮小・人件費削減につながり、医療の質・量が低下することが危惧されることが、質疑で明らかになりました。
 この現状をふまえ、市立病院でも診療報酬の改定により赤字経営が余儀なくされているなかで、26年度以降4億円から5億円の収益が増えていることを評価し、どのような努力で経営改善に取り組んできたのか質問しました。
 担当部局は、地域包括ケア病棟の開設やハイケアユニットの設置など、診療報酬加算に向けた取り組み。周産期医療にかかる繰入金について、各部門収入と支出を算出して病院経営実態に即した算定方式の見直し。DPCデータの活用や医師、看護師、医療技術スタッフ、事務が連携し、診療報酬の算定漏れをなくしてきたこと。入院期間の短縮など、様々な取り組みを実施したことにより高い診療報酬につながり、医業収益の増になったことを説明しました。

工藤良一議員の質問

●霊園会計

①墓園の改修について
 霊園内に設置されている墓園の老朽化が課題となっていた問題で、新年度に改修工事費が計上されたことから、改修内容について質問しました。
 担当部局は、「木レンガブロック舗装の腐食が激しいため、まずは下段部分の木レンガブロック舗装の撤去と整地をしたい」と説明し、上段部分については、順次検討していくことが答弁されました。
②霊園管理について
 お参りする人にとっては大切なお墓の献花入れが壊されていた事例を紹介し、管理人業務のあり方について質問しました。
 担当部局は管理人業務の内容について、パトロールや清掃、樹木の剪定、草刈、修繕などがあることを説明し、備品の管理につては「目を行き届かせるのは難しく、看板などで注意喚起している」と答弁しました。
③共同墓について
 共同墓の「生前予約」を実施していないことについて、市民の理解を得る説明が難しいことから、どのように説明すべきか質問しました。
 担当部局は、「それぞれの家庭の事情や希望が異なり、一般的な説明では難しい」と、個々に対応することが大事であると説明し、電話での相談も受け付けていることが示されました。
 また、親族が全くいない方や家族と絶縁状態の場合は、本人の希望で生前に「埋葬希望届」を出せることが党市議団の提案で実現しましたが、「市民のなかには親族に迷惑をかけたくないという理由で埋葬希望届を出したいという方がいる」と紹介し、対応を求めました。
 担当部局は、「亡くなった場合、迷惑をかけないということにはならない」と述べ、「親族のいる方は、生前に遺言状やエンディングノートに書き残しておくこと、自分の意思を伝えておくことが大事」と説明しました。

●苫小牧市場会計

 29年度に実施した建物劣化度調査の結果について、国土交通省が定める耐用年数65年に対し、コンクリートや鉄骨の基準はクリアしており、あと15年間は問題ないことが質疑で明らかになりました。
 この結果から、今後の修繕の必要性について質問しましたが、担当部局は「施設機能や安全上は修繕の必要はなく、アルミ建具や床などは通常点検で管理すれば10年以上問題ない」と説明しました。
 一方で、5社だった中卸業者が3社になったことから、市場のコンパクト化と市民に向けた新たな機能構築について提案しました。
 担当部局は、「セリに参加する買参人は比較にならないほど減ったが、卸売会社や中卸業者の売場が有効に使用されており、物流拠点としての意味あいも多く、ある程度の保管スペースは必要」と答弁。
 市民向けの機能については、「昨年10月に生鮮食品のPR目的に市場感謝祭を開催した」と説明し、新たな取り組みについて審議会や検討部会で検討することが述べられました。

●水道会計

 1月の寒波により新潟県では水道凍結・破裂が相次いだことを示して本市の現状について説明を求めました。
 担当部局から、1月25日に今シーズン最多の282件の凍結修理があったことが説明され、シーズン全体では例年並みだったことが報告されました。
 また、水道凍結による水道会計への影響を質問し、「凍結で水道が使えなくなると収益が減少し、水道管の破裂件数が増えれば流れ出る水量が増大し、最悪の場合水道水が足りなくなり、断水が発生する可能性がある」と説明されました。
 さらに、空き家での水道管凍結による漏水についての市の対応を求め、担当部局は「空き家も含め全てのメーターを2ヶ月に1度の検針で確認しており、漏水の発見は可能」と説明し、近所からの通報も年に数件あることを報告しました。

議案審議

●老人医療費助成制度の廃止について・・・冨岡隆議員の質問

 老人医療費助成は、入院時に自己負担額を軽減するために市独自の制度として昭和46年(1971年)に導入し、収入に応じて国の高額医療費制度に上乗せしてきた経緯があります。しかし、今回国の制度改正にともない69歳以下と70歳以上の負担限度額が同等になることから、市は「世代間の公平性を図るため」との理由で7月末で廃止するとの提案がありました。
 「国の制度改正で全国的にも2,000万人を超える高齢者の方々が負担増になり、許されるものではない」と強調し、「市の助成制度で救われた市民も多くいるなかで、制度廃止になれば高齢者の多数が負担増になる。道内で唯一頑張って取り組んできた制度を継続すべき」と見解を求めました。
 担当部局は、助成を受けているのは200人前後いることを明らかにし、「70歳以上の高齢者を含め助成するとなると財源確保が必要になる」と、継続は難しいとの判断を示しました。
 この答弁を受け、「様々な税や料が引き上がり、社会保障の負担増があるもとで、老人医療費助成は高齢者にとって宝のような大切な制度。財源的にも可能であることから継続すべき」と強く求めました。
 市長は、「高齢者の健康事業について、健康寿命を延ばそうと相当の取り組みを行なっている。総合的な視点で評価してほしい」と冷たい答弁でした。