第24回 議会報告会(6月議会)

2017年7月27日

第24回 議会報告会
(6月議会)

日本共産党市議団  
代 表 小野寺幸恵
副代表 渡辺  満
幹事長 工藤 良一
幹 事 冨岡  隆

<工藤良一議員の一般質問>

●カジノを含むIR(統合型リゾート)

①フィリピン国際IRでの発砲・火災事件について
 6月にフィリピンの国際IRで37名もの死者が出た発砲・放火事件の犯人は、元政府税務担当局職員で多重債務者だったことから、苫小牧にIRを誘致した際、同様の事件が起きるのではと、市民に不安が広がっていることを紹介し、「フィリピンの事件を“他山の石”として学ぶべき」と、市長の見解を求めました。
 フィリピンの事件について市長は、「事業者が適切な管理運営をしていたかが問題視される」と述べ、「日本では世界最高水準の規制を導入することを国が検討している」と“大丈夫論”の認識でした。

②IR当市意向等調査について
 予算委員会で計上された4,521万円の調査費について、質疑の中で「可能な限り圧縮する」と答弁していましたが、94%の予算執行率の現状から「市民理解は得られるのか」と見解を求めました。
 担当部長は「予算執行率は事業者の最大限の入札額であり妥当」と妥当性を強調し、「調査費が無駄にならないようにしっかり取り組み、市民理解を得られる努力をする」との見解を示しました。

③住民への説明について
 予算委員会で党市議団は、市が示した今後のスケジュールには『苫小牧型IR基本構想』の策定後に、市民説明会の日程が想定されていないことを再三指摘しましたが、明確な答弁がなかったことから、市民説明会実施の検討とスケジュールの修正など、市の考え方を質問しました。
 担当部長は「予算委員会で示したスケジュールは最短の想定であり、今後変わるもの」と説明し、基本構想に対する市民理解は必要との認識を示しました。

④ギャンブル依存症について
 ギャンブル依存症を心配する市民から「これだけパチンコやパチスロがあるのに更にカジノをつくるのか」「市長はカジノに前のめりではないか」との厳しい意見が出ていること紹介。また、専門科医師が「ギャンブル依存症は治らない病気」と発言していることにも触れ、「それでもIR誘致の考えかは変わらないのか」と市長の姿勢をただしました。
 市長は「国を取り巻く状況が変化している」などと縷々説明し、「食っていけるまちにするにはどうするかを考えなければならない」と、IR誘致へのチャレンジの意志を強く示しました。

●安全な草刈機について

 小中学校における草刈作業中に、石が飛んで車などを破損した事故が繰り返されたことから、事故防止策として市議団の視察で体験した石が飛ばない草刈機を紹介し、活用を求めました。
 教育長は「安全性を優先させることは最も重要」との認識を示し、「全小中学校で導入する」と答弁しました。
 また、公園や道路、保育園、市民会館など、複数の部署にまたがる問題であることとも指摘し、該当部署での導入を提案しました。
 道路・公園等を所管する都市建設部では、「現在4台導入した。今後検証し、拡大したい」「他部署にも導入したい」と答弁しました。

●高齢者支援について

 身内がいない、迷惑をかけたくない等の理由から献体を希望する高齢者が増えている問題で、相談体制について質問しました。 
 担当部長は、悩み抱えている方の相談窓口はあるので、そのなかで最期の相談があればのりたい」と答弁しました。
 お金の管理ができずに電気を止められた方や、2度のボヤを出した1人暮らしの高齢者を紹介し、支援していく制度・仕組みについてただしました。
 担当部長は「関係部署と連携して早期発見し、1人暮らしが困難な場合は施設入所などの対応をしたい」と答弁しました。
 また、地域には「町内会の役に立ちたい」「1人暮らしの高齢者の支援ができないか」という気持ちを持った方がいることを紹介し、地域で生かせる仕組みづくりの必要性について質問しました。
 担当部長は「まさしくその通り」と、地域でのネットワークづくりに努めていく考えを示しました。

●職員の健康管理について

 市職員の精神疾患による病気休暇が増加傾向にあることから、現状と対策について質問しました。
 現状について担当部長は、27年度の相談者数26名(69件)だったのに対し、28年度に正規職員の保健師を配置したことで148名(911件)に増加したことを説明。また、相談日を月2日から3日に増やし、早期発見・早期療養を強化していることが示されました。
 さらに、「業務の多忙化や人事異動などをきっかけに、だれもが発症する病気」と保健師の増員を提案。部長は「優先順位は高い」と答弁しました。

<小野寺幸恵議員の一般質問>

●自然環境保全

①美々川流域の自然環境保全地域の指定について
 昭和49年から毎年北海道に要望していた、美々川流域の自然環境保全地域の指定を、市は30年度の要望項目から外したことについて、「保全地域の指定に向け北海道に粘り強く要望していくと答弁していたのに何故外したのか」とただしました。
 担当部長は「早期の実現が難しく要望をいったん取り下げたが、環境保全の実効性ある対策について検討する」と答弁しました。

②ペンケナイ・パンケナイ川の保全
 「美々川に流入しているペンケナイ川、パンケナイ川の自然環境保全は、ラムサール条約に指定されているウトナイ湖の保全に不可欠」「絶滅危惧種であるオジロワシ、天然記念物であるオオワシのねぐらにもなっている」と、ペンケナイ川、パンケナイ川を含めた自然環境保全の必要性を指摘しました。
 平成元年(1989)に、桂ゴルフ場の建設に際し「パンケナイ川上流部の森林調査」を行っており、「(ゴルフ場)のとめどのない拡大は、生態系にも影響を及ぼすことになる」「自然の確保と効果的な活用、周辺ないし下流の自然への影響・負荷の最小限化を目標にすることが望ましい」との『将来への提言』が出されていることを紹介し、「IRやバルト・マイスターによる開発行為は、自然環境への影響が懸念される」と、自然環境保全条約の趣旨に基づく保全を求めました。
 担当部長は「条例は、無秩序な開発を防止するもの。自然環境の保全と適切な開発のバランスと調和が大切」と開発行為を否定しませんでした。

③大規模な養豚場の影響について
 千歳市駒里に3万頭もの養豚場事業の計画があり、美々川への影響を心配する声が千歳市民から上がっている問題で、「行政区が違う」との理由で事業内容を把握しておらず、資料も持ち合わせていないことから、「美々川に影響が出るまで何もしないのか」と認識を求めました。
 担当部長は「市は賛成・反対を言える立場にないが、臭気対策、糞尿処理についてはしっかり対応するものと思われる」と他人事のような答弁でした。
 昭和61年に、千歳市のごみ処理施設の排水が原因で、美々川に白い綿状のカビが発生した際、当時の市長は「美々川の汚染がないよう強力に千歳市に要請する」と答弁していることを紹介し、養豚場に対しても同様の立場で臨むよう、市長の見解を求めました。
 市長は、「養豚場の計画書は確認していないが、大変懸念している。重大な関心を持ってみていき、美々川を守る」と答弁しました。

●生ごみの資源化について

 先の質問で、15年後のごみ焼却施設建て替え時期を見据えて生ごみの資源化について提案した際、「大作戦をスタートした時期から最後はそのような経過をたどるだろうということは前提に取り組んできた」と、生ごみの資源化の必要性を述べていました。その上で、北海道初の恵庭市での下水処理場とごみ焼却施設を連携したバイオマス発電事業を計画していることを紹介し、参考にして取り組むことを提案しました。
 「恵庭市の動向を注視したい」と答弁しましたが、下水道処理施設との連携について担当部長は、汚泥処理工程全体の見直しや多額の施設整備投資が必要などの理由から「難しい」との答弁でした。

●紙おむつの無料収集について

 2歳までの子どもがいる家庭と紙おむつ給付事業を受けている高齢者のみに、ごみ有料袋の無償配布をしていますが、紙おむつを使用する市民から「ごみが増えて困る」という声から、紙類やプラのように無料収集することを提案しました。
担当部長は「検討したい」と答弁したため、紙おむつの無料収集はごみ袋製造量が減ること、紙おむつ配布費用が不用になることから約400万円の経費削減になる。紙おむつ利用者全員が対象になり公平であり、さらに分別意識が向上するなどの利点が大きいことを示し、再度市長に見解を求めました。
 市長は「内部で検討しているが方向性が煮詰まっていない」と説明。廃棄物減量等推進審議会でも検討することを求めました。

●未届け老人ホームの消防設備について

 先の議会で、29年度中にスプリンクラーや自動火災報知設備を整備しなければならない未届け老人ホームに対し、市独自の助成を講じることを求めた際、市長は「6月議会まで時間がほしい」と宿題になっていたため、あらためて市の考えを質問しました。
 担当部長は、胆振振興局からの通知で、届出を行なうことを前提に国の交付金の活用ができることになったことを示し、「スプリンクラー等の設置が必要な施設の意向調査を行なった結果、消防設備を設置できない施設は無い」と説明。市独自の助成の必要性がなくなったことを明らかにしました。

●介護保険について

①3割り負担の導入について
 国の介護保険改正により、平成30年度から一定所得以上の利用料が3割負担になることを受け、多くのマスコミ批判や全国保険医団体連合会から抗議声明が上がっていることを紹介した上で、サービス抑制の懸念や影響について質問しました。
 担当部長は、約150名が該当することを説明し、「サービス抑制につながることも考えられるので、それを防ぐことが重要」との認識を示しました。

②療養病床の廃止について
 平成18年に療養病床廃止方針が国から出されましたが、入居者の現状は要介護4が20%、要介護5が78%と寝たきり状態の方の受け入れ先になっているため、249床が148床に削減されましたが廃止できなかった現状にあります。今回の改正で、療養病床を廃止し介護医療院に移行することになり、今後の見通しについて質問しました。
 担当部長は「次期計画では受け入れ先を確保できない」「詳細が示されてから検討する」との答弁に留まりました。

③地域支援事業について
 要支援の方が介護給付費から地域支援事業に移行しますが、国が定める事業費の上限を超える可能性があるため、一般財源の活用を求めました。
 担当部長は「その状況をふまえながら対応を考えたい」と答弁し、市長は「頭が痛い問題。予算をシュミレーションしながら考えていきたい」と答弁しました。

④在宅における医療介護の充実について
 介護保険制度の「施設から居宅介護へ」に加え、医療制度でも「病院から在宅医療へ」の流れが推進されていますが、訪問診療を行なっている医療機関は3ヶ所、訪問看護事業所は9ヵ所という現状で、根本には医師不足、看護師不足があることを指摘し、在宅医療の環境整備が可能なのかを質問しました。
 担当部長は「どれだけカバーできるか、訪問できる人がどれだけいるか、医師会と連携して考えていきたい」と答弁しました。

●住宅行政における商業施設の対応について

 大成町の商業施設が入っている市営住宅はC判定(6強の地震で倒壊の恐れがある)と診断され、昨年12月議会で用途廃止(取り壊す)との方針が出されています。1階の商業施設は分譲した物件のため、所有者の合意が不可欠ですが、今年1月に電話で用途廃止を伝えただけになっています。
 この現状から、電話だけの報告で所有者との合意は可能なのか、用途廃止の方針は正式決定なのか質問しました。
 担当部長は、所有者との合意については「用途廃止は理解を得ていると考えるが、整備計画の素案が完成した段階で協議・交渉を行いたい」と答弁。用途廃止については「正式決定ではなく、方針を提案したもの」と答弁しました。
 また、今年の3月議会では、所有者との協議・交渉を進めるために、速やかに庁内の関係部署と協議をして進める答弁しながら、いまだに協議を行なっていないことについて、「住宅課任せでいいのか」と土地の所有者である財政部がリーダーシップを取ることを提案しました。
 副市長は「住宅としての方針を持たなければならない。早く方針を示して関係部局との協議になる」と説明。「のんびりし過ぎる」との指摘に、「反省する」と述べ、「関係部局でスクラムを組んでやっていきたい」と答弁しました。

<報告> 冨岡隆議員の質問

●振興公社の事業報告について

 昭和40年に市が100%出資して作った第三セクターである振興公社は、今年度で解散します。「これまで施設管理として果たしてきた役割は大きい」と評価した上で、市長の認識を求めました。
 市長は「市民のために作った施設において、市民のために非常に大きな役割を晴らした。当時は公共施設の管理を民間が担えなかったが、時代の役割としては終わった。お疲れ様と言いたい」との認識を述べました。
 また、振興公社が管理してきた屋外スケートリンクの製氷技術が高いことを示し、新たな事業者になっても製氷レベルが低下しないよう提案。担当部長は、「経験と技能を持つ者を配置する」と答弁しました。
 また、解散後の職員の再就職先について、振興公社の社長でもある副市長は、「市が責任を持つ」と答弁しました。

<建設委員会> 渡辺満議員の質問

●市営住宅の畳の修繕につて

 27年度9月議会で、「計画的に畳の修繕をおこなう」と答弁していましたが、計画策定のための住民意向調査も行なっていないことが明らかになり、畳の修繕を強く求めました。
 市営住宅に入居し25年以上経過している世帯は1,681世帯であることを指摘し、優先的に更新計画を作ることを提案し、あわせて畳以外の修繕要望も聞き取ることを提案しました。
 担当部局は「25年が畳交換の目安」と説明し、住宅の整備計画策定後に修繕計画を作って対応すると答弁しました。

<総合開発特別委員会> 渡辺満議員の質問

●カジノを含む統合型リゾート(IR)について

 国のIR推進本部会議(第5回 6/20)では、ギャンブル依存症対策のひとつとして、マイナンバーによる入場規制を検討していることを指摘し、「市長がハードルを高くすると言及している手段もマイナンバーが含まれているのか」と、マイナンバーの普及率とあわせて質問しました。
 市長は「マイナンバーでの入場規制はひとつの選択肢ではあるが、国の実施法の動向を注視したい」と答弁し、マイナンバーの普及率はわずか9.4%であることが明らかになりました。

●オスプレイの訓練について

 今夏の北海道での米軍訓練で、初めてオスプレイの使用が予定されている問題で、事故を起こした同機種であり、市民の不安が大きいことを指摘。情報開示と安全安心の観点から、閉会中であっても本委員会を開くことを求めました。
 担当部局は「詳細な情報がない」としながらも、委員会での報告を約束しました。

第23回 議会報告会 <2月議会・2017年度予算委員会>

2017年4月15日

第23回議会報告会
<2月議会・2017年度予算委員会>

日本共産党市議団  
代 表 小野寺幸恵
副代表 渡辺  満
幹事長 工藤 良一
幹 事 冨岡  隆

<今議会の特徴>

▼カジノ誘致予算の賛否が問われた議会

 市長は、「人口減少対策として税収を確保し、雇用を増やすことは次世代のために重要」との理由から、市長はIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致に前のめりで、『市政方針』のなかに成長戦略としてIRを位置づけました。さらにIR意向調査費4,521万円が計上されたことから、全会派が代表質問で取り上げました。
 この調査費には、緑風、公明党市議団、民進党市民連合、改革フォーラムが『付帯決議』を付して賛成。党市議団と会派市民は、共同で反対討論を作成し反対しました。

党市議団の代表質問の内容

 市長は、『政治姿勢』のなかで「3つの成長戦略による良質な雇用の創出と歳入の拡大」を掲げ、その1つが「IRの展開」だと述べました。
 党市議団は「カジノで負ける人がいることで成り立つのがIRであり、食べていける苫小牧になったとしても両手をあげて喜べるものではない」と、市長の認識をただしました。
 市長は、「IRとは、カジノを含め、会議場、レクレーション施設、宿泊施設などが一体となっている施設」「収益モデルは単体では採算が取れない」と、カジノ収益が運営の柱になることを認めました。
 また、「IR誘致の判断基準は市民理解が前提」とする市長に対し、「どのように市民理解を得るのか」と質問し、「住民投票をすべきではないか」と提案しました。市長は「実施法によって制度の内容が明らかになる。それをもとに市としてのIRについて示し、市民理解を進めることが重要であり、住民投票の案件にしない」と説明しました。
 ギャンブル依存症対策についても触れ、「負の対策が必要なものは、最初から無いほうがいい。それでも市長はチャレンジするのか」と追及。市長は「依存症対策について、現時点では示せない」と述べながらも、「市と事業者が連携して、不幸な人が出ないように対策を取らなければならない」「リスクと効果のバランスを考えた上で、市民にとって利益になるかどうか総合的に判断したい」と答弁しました。
 さらに、市長は「共産党がいうようなカジノは誘致しない」と発言していることに触れ、その真意について質問。市長は「以前、冨岡議員が“カジノはギャンブルであり、多額のお金がかけられ、暴力団の重要な資金源の1つになってきた”と、昔のアメリカ映画のマフィアを指しているような発言があったが、IR推進法でのカジノとは異なるものと認識している」と、茶化す答弁でした。

予算委員会での質疑内容

①異例の補正予算

 今議会に提案されたIR意向調査費4,521万円は、補正予算として提案されたことから、「新年度予算を審議するこの時期に補正予算が提案されたという記憶がない。かつてあったのか」と質問。財政部長は、市職員の給与改定を新年度に反映させるために補正予算を提案したことがあるとの説明をしましたが、新たな事業費を補正予算で提案するのは“異例”であることが明らかになりました。
 「異例の提案までして、なぜ急ぐのか」とただすと、「できるだけ早く調査結果を示し、市民理解を得たい」と答弁し、調査結果は29年度12月頃であることが示されました。

②空想的なスケジュール

 一方で補正予算での資料には、市民説明のための日程が組み込まれていないため、「市民に説明するための調査といいながら、全く説明する日程を設けていないのは問題」と再三追及しましたが、「しっかり市民に説明する」と繰り返すばかりでした。
 また、環境アセスメントの必要性についても質問し、「環境アセスメントには1年から2年かかる」と説明しながらも、その期間も想定しないスケージュールであることをただし、「空想的な提案は相容れない」と指摘しました。

③実施法の成立要件

 法務省は、賭博が違法とされないための8要件を示し、カジノ実施法成立の条件としていることを述べ、「IRは、外国の民間IR事業者による民設民営の施設。この8要件をクリアするのはハードルが高く、現状では実施法の成立は難しい」「実施法が成立しなければ税金のムダ遣いになる」とただしました。
 市長は、「今の体制での法務省の見解ではあるが、今後国会で議論になっていくと思う」「法務省の見解が全てブレーキになるものではない」と答弁したため、「その時々で法務省の見解が変われば、恐ろしい日本になる。そんなことは考えられない」と厳しく指摘しました。

④ギャンブル依存症に対する認識

 ギャンブル依存症対策について、市長は「ギャンブル依存症が生まれないように、知恵を絞って法的な措置を取る必要がある。パチンコについても歯止めが必要な時代ではないか」と正当化しました。
 また、カジノによる依存症患者について「どんなものでもリスクはある」と答弁したのに対し、「病気をつくることをリスクというのは正しくない。病気をつくることを進める市長の考え方は理解できない」と指摘し、「私を含め、カジノがイヤだと言っている市民は生理的に受け入れられないと反対している。そんなものを子ども達に残してほしくない」と厳しく反対しました。

(賛成会派の付帯決議)

 総務費の「統合型リゾート投資意向等調査検討事業費」については、IR実施法が示されていない段階では、委員会の質疑を通じ、リスク対策などを初めとするさまざまな不明点があることが明らかになった。一方、将来の人口減少を見据え、本市の安定した自治体経営に寄与する雇用や税収の確保に向けた可能性を探ることは否定するものではない。
 よって、公募型プロポーザル方式による競争性を担保し適正化を図ること、北海道に自覚と責任ある可能性調査の連携を促すこと、本予算を投じて行なうIR調査結果を市民に説明し理解を得る市の姿勢として、説得ではなく広く共感を得ることを求める。
 また、市民理解が得られない場合、IR実施法が明らかになり本市の将来にリスクが高すぎると判断した場合、さらには国のIR候補地の選定にもれた場合にあっても、本調査費が無駄とならぬよう、本市の魅力を発信する国内外に向けた観光政策や、現在もギャンブル依存症に苦しんでいる市民への対策に生かしていくよう求める。

(会派市民と党市議団の反対討論)

 今回の補正予算の理由付けは、昨年12月に成立したカジノを含む統合型リゾート推進法第5条で明記された施行後1年以内を目途とする実施法を根拠に、投資意向等調査検討事業費として4,521万円の税金を計上したもので、到底市民理解の得られない税金の使い方であり、断じて許されるものではありません。
 代表質問と予算委員会での質疑で明らかなように、市長は「IRは20年先の次世代の若者のために、人口減少対策や良質な雇用を生み出す産業であり、税収の確保、国際観光都市としてのまちづくりに生かすもの」と未来志向の成長戦略だと述べています。市民にはリスクの少ない施設であるとメリットだけをことさら強調し、「市民理解を得るための資料が提供できる」と調査目的を理由付けていますが、本質は誘致目的であることは明らかです。
 事実、IR法2条1項では、設置、運営は「カジノ管理員会の許可を受けた民間事業者」とあり、申請は地方自治体ですが、どこでも誘致できるわけではありません。「特定複合観光施設区域」という特区方式のために各自治体は「ご執心」であり、船に乗り遅れまいと誘致活動を強めています。
 まさに、今回の補正予算は、明確な誘致活動予算であり、市民理解と合意形成はたんなる「こじつけ」と厳しく指摘します。
 資料に添付された行程表を見ても、市職員をはじめ市民を対象にした説明責任と理解を得るための期間設定がなく、環境アセスも含まれていません。
 質疑でも指摘したとおり、世界各国ではカジノ依存症によって多くの地域や家庭が崩壊する事態も明らかであり、次世代には必要のない誘致施設です。
 実施法が明確ではないなかで、誘致を競い合うことは税金のムダ使いといわざるを得ません。
 以上の理由を述べ、反対討論といたします。

<代表質問>・・・小野寺幸恵議員

▼時代認識について

 市長は、これまで安倍政権がすすめてきた総事業費20兆円規模の経済対策やアベノミクスの3本矢、さらには一億総活躍社会実現による新3本の矢などに対し、期待感を抱いていきました。『市政方針』では「地方ではアベノミクス効果は十分に実感できない」と、効果のなさを認めており、「いつくるかわからないアベノミクス効果を、いつまで待てばいいのか」市長の認識を質問しました。
 市長は、新3本の矢について「デフレ脱却と経済再生へ向け着実に前進している」との認識を述べながらも、「その効果は国任せではなく、市の総合戦略の事業を確実に実行していくのが最短ルートである」と、楽観視できないことが示されました。
 また、「年金改革」や「働き方改革」など、安倍政権がすすめる改悪で国民不安が広がっていることをあげ、「1%の富裕層のためではなく、99%の国民のための政治への転換を国に求める必要がある」と市長の見解を質問しました。

▼まちづくり

①子育てと仕事の両立について

 北海道平均の保育所数は、子ども1,000人あたり4.5カ所ですが、苫小牧市は2.77カ所と少なく、北海道が調査した潜在的待機児童数は札幌に次いで2番目に多いことを示し、「“働くなら苫小牧”“暮らすなら苫小牧”“子育てするなら苫小牧”という施策のマイナスイメージになり、女性の社会進出に道を閉ざし、共働きでなければ暮らせないという家庭を苦しめることになる」と、保育所の増設とともに新年度に作成する『苫小牧市総合計画』に位置づけることを提案しました。
 担当部長は「子育てと仕事を両立できる環境整備は重要ではあるが、人口減少を考慮する必要もある」としながらも、「次期総合計画において、指標を用いることは有効」と答弁しました。

②まちづくりと雇用について

 市長は「地域にとっての財産は、そこに住む“ひと”である」と述べている一方、「人を育てることで企業が育ち、“元気なまち”になるという視点が市政方針から読み取れない」と、市長の姿勢を求めました。
 市長は「人を育てることは、将来の苫小牧を担う人を育てる視点においても重要」「誇りと愛着を持って暮らしつづけられるまちを実現したい」と、精神論の答弁に留まりました。
 また、市長はことあるごとに「IRによって良質な雇用が生まれる」と述べており、「良質な雇用」の意味について他会派の代表質問で「ブラック企業に対し良質を見定めて雇用を捉えている」「人口減少のキーワードは雇用という点から、雇用の幅を広げることにつながる」と説明しました。しかし、冨岡隆議員の質問には「IR=カジノ=治安悪化と言ってくる勢力があるだろうということから、政治家としての判断に基づいて使った言葉である」と説明していたことを示し、あらためて市長の説明を求めましたが、「良質とは悪質ではないという意味」と理解しがたい答弁でした。
 さらに、昨年の代表質問において企業立地振興条例における雇用助成金を「正規雇用を条件」にすることを提案した際、「難しい」との答弁だったことをふまえ、現状の条件にプラスして新たに正規雇用の場合にも助成する項目を設けることを提案しました。
 担当部長は「正規雇用は、所得の安定や地域経済の活性への波及が期待できる」と、制度改正の検討が約束されました。
 あわせて、雇用助成金を交付した後の実態把握について質問しました。これまで繰り返し実態把握を求めてきた経緯がありますが実施されず、あらためて「実態把握により進出企業の悩みを知ることもでき、安定雇用につながる」と調査を求めました。
担当部長は「実態把握は必要」との認識を示し、「より効果的な手法を検討したい」と前向きな答弁がありました。

③中小企業の振興のまちづくりについて

 平成25年に公布された『中小企業振興条例(理念条例)』をふまえ、実効性ある具体的な施策を進めるために『中小企業振興計画』策定を提案した経緯があり、新年度に策定する方向性が示されましたが、市が実施した実態調査はわずか7%の中小企業のデーターであることから、広く意見を徴収して計画を策定することを求めました。
 担当部長は「様々な立場の委員で構成する審議会で議論を深めたテーマを柱にして、さらに議論を重ね、市民からの意見を聞きながら30年4月に向けて進めたい」と答弁しました。
 また、大企業による下請中小企業への「買いたたき」の実態から政府が調査を実施したうえで、『下請代金支払い遅延等防止法に関する運用基準』と『下請振興法の振興基準』の改定がおこなわれました。当市でも「仕事がほしいが、受けることで赤字になる」との中小企業の声を紹介し、下請中小企業の実態把握を求めました。
 副市長は「法改正については、9割以上を中小企業が占める本市としても注視している」との認識を示しましたが、「企業間の取引については、市は関与する権限がない」と消極的な答弁。公共事業については「適正な価格で契約するよう要請・指導している」と答えましたが、「実態を把握する必要がある」との再度の質問に、「どんな方法があるか、検討させてほしい」と答弁しました。

④男女平等参画が生きるまちづくりについて

 『男女平等参画都市宣言』の理念を普及するために『男女平等参画基本計画』を策定するとの方針から、「1つの施策とするのではなく、次期総合計画の太い柱として理念を位置づけるべき」と提案。「総合計画推進の土台となる部分に位置づけたい」と答弁がありました。
 また、教育における位置づけの重要性についても質問し、教育長は「人権の尊重、男女平等、相互理解・協力について指導の充実を図っており、男女などのお互いのよさを認め合ったり生かし合ったりする活動を取り入れている」と答弁し、新年度の社会科副読本に『男女平等参画都市宣言』を掲載することも説明されました。

●道徳の教科化について
 関連して道徳の教科化に触れ、「模範解答がよしとされ、心のマニュアル化になることが危惧される」と指摘し、「子どもたちの豊かな心を育む」という教育行政執行方針からかけ離れることについて、教育長の認識を求めました。
 教育長は「通り一遍の授業により画一的な価値の押し付けになる可能性が危惧される」との認識を示し、「児童生徒1人ひとりの発達段階に応じて励ますような評価をおこなうことが重要」「答えが1つではない課題に子ども達が道徳的に向き合い、考え、議論する道徳を実践できるようにしたい」と答弁しました。

▼子どもの貧困対策

①就学援助について

 当市の子どもの貧困率は24.01%(全国16,1%)と高いにもかかわらず、就学援助の受給世帯は15.5%と低いことから、その理由に対する分析結果と課題について質問しましたが、教育部長は「認定率の低い状況については分析していない」と答弁。さらに、調査・分析を求めました。
 また、6月支給だった中学生の入学用品費が28年度から3月に支給することになり、国の基準により2倍の支給額になることが明らかになりました。29年度から小学校も対象に3月支給になります。

②給食費について

 給食費の無償化に取り組む自治体が生まれていることについて、無償化に取り組んでいる実態や、当市の考え方について質問しました。
 教育部長は「道内で、1市7町が無償化に取り組んでいる」と説明し、当市での実施については、「全体で7億強の財源が必要なため、総合教育会議で難しいとの議論があった」と答弁しました。
 また、保育料のように「第2子半額、第3子無償」のように、段階的な実施も求めましたが、校舎の耐震化や老朽化対策、給食センターの大規模事業などを事例にあげ、「財政的に難しい」と答えました。

③子ども食堂について

 市民の支援で広がりつつある一方、財政的な課題が大きいことを示し、補助制度の創設などを提案。「どのような支援ができるか関係部署と協議したい」との答弁がありました。
 また、大成児童センターでお弁当を持ってこれない子どものために月1回程度の実施で『子ども食堂』を実施していることから、他の児童センターでの実施を求めました。
 担当部長は「なかなか難しいが、児童センターの運営協議会で協議し、まずは料理を作る行事を充実させることから進めていきたい」と答弁しました。
 さらに、一義的な支援として保護者に対する具体的な支援についても求め、「様々な支援を通じて貧困の連鎖によって子ども達の将来が閉ざされることのいないよう、さらなる庁内連携を強めたい」と答弁がありました。

④生活保護世帯への支援について

 高校生の子どもを持つ生活保護受給世帯では、修学旅行の費用や運転免許取得費用、高校卒業後の自立費用など、多くの財政的な問題が心配されており、26年度から目的に応じて子どものアルバイト収入の一定額を積み立てることが認められました(収入認定から除外する)。
 生活保護受給世帯の高校生は175名で、アルバイトをしているのが65名、そのうち積立をしているのが35名という答弁があり、「周知が不足しているのでないか」とただしました。
 担当部長は「保護者には説明しているが、子どもに正しく伝わっていない可能性もある」とし、直接子どもと話す機会を設けたり、文章を手渡すなどの手法をとることを示しました。

⑤無利子の奨学金制度について

 昨年の代表質問で、苫小牧駒澤大学への支援に加え、子育て世帯への経済的支援と人口減少対策の視点から、無利子の奨学金制度の創設を提案した際、前向きな答弁がありましたが、状況が一変して京都育英館に移管されることになりました。そのため、「地元の高校生に地元の大学に通ってほしいとの市長の答弁から、京都育英館であっても無利子の奨学金制度を創設すべき」と、市長の考え方をただしました。
 担当部長は「地元の大学の学生確保の観点から、平成30年4月の入学者に対し適用できるよう、準備を進めている」と答弁しました。

▼福祉行政

①自宅での看取りについて

 昨年11月、ご主人が奥さんの希望で最期を自宅で看取った際、警察の検死やご主人への聞き取りなどがおこなわれ、大変つらい思いをしたという実例をあげ、「最期を自宅で迎えたいという方への正しい知識の周知が必要」と、実態について質問しました。
 市内には、看取りができる医療機関は3ヶ所だけであることが説明され、今年4月に開設する『医療介護連携センター』において、看取りに関する周知をすすめることが答弁されました。
 また、老人クラブを対象におこなったアンケートで、40%の高齢者が「自宅で最期を迎えたい」と回答していることを示し、「この声に応えるためには医師会や医療機関との連携が重要」と提案しました。
 市長は、医師会との連携の重要性を示し、「医師会も看取りを視野に入れていると思う。医療・介護・看取りの連携が必要」と、高齢者が住みなれた地域で暮らしが継続できる体制づくりに前向きな答弁でした。

②未届け有料老人ホームについて

 党市議団は、繰り返し未届け有料老人ホームの実態調査を求めてきました。一昨年には、福祉部・消防本部・都市建設部の3部合同による調査が行なわれ、消防法令や建築基準法に適応していない現状が明らかになり、昨年の代表質問で全庁的な対策を提案してきました。当時は「解決策としては非常に悩ましい」との答弁でしたが、この1年間の検討結果や解決策について、質問しました。
 担当部長は「強く届出を促すことや改修などの設備整備を求めることは、施設の廃業にもつながるため、対応に苦慮している」と進展のない答弁でした。そのため「入居者の安全安心のためには介護施設の建設しかない」と提案しましたが、「直ちに施設を建設することは難しい」との答弁でした。
 また、消防法令の改正で平成30年3月31日までにスプリンクラーや自動火災通報設備などを整備しなければならない未届け老人ホームが13カ所あり、171名が入居、そのうち78名が要介護3以上の高齢者であることを示し、「本来要介護3以上は介護施設の対象。もし未届け老人ホームが閉鎖になった場合、受け入れる介護施設はあるのか」と質問し、市独自でスプリンクラーなどを整備する助成制度を創設することを提案しました。
 担当部長は「すでに介護施設には待機者がおり、78名を直ちに受け入れるのは難しい」と説明し、助成制度創設についても「難しい」と答弁しましたが、「あと1年しか猶予がない。市長の英断を」と再三求めると、市長は「6月議会までに答えを出したい」と答えました。

▼市民ホールと東小中学校について

 市長は、市政方針で「市民ホールについては、現在の東小学校敷地を建設地にすることを基本に検討を進めていく」と述べており、担当部長は「総合的に評価した結果、東小学校の敷地が最も適している」と答弁しました。一方、東小学校と東中学校の併設に関し、「様々な課題を解決すること」「地域住民や保護者の理解を得ること」、この2つをクリアすることが条件だったため、地域説明会の内容や到達点について質問しました。
 教育部長は「説明会では反対の声は上がらず認めてもらったと認識している」と答弁し、課題解決や効果的教育の実現について検討会を設置して取り組むことが示されました。
 また、市民ホールに科学センターを含めるかどうかが検討課題だったため、方向性について質問。「市民や関係団体から科学に触れる機会の充実を望む声が多く、機能の充実が必要」との考え方を示し、「一定の制約がる複合施設としてリニューアルするのではなく、単独施設としての整備を考えている」と答弁がありました。

▼住宅行政

①C判定の住棟について

 市は、C判定(震度6強で倒壊の恐れありと判定)に住む住民への説明会を実施してきましたが、「早急に引越ししなければならない」と誤解している方が少なくないことから、あらためて住民に情報発信することを提案しました。
 「直ちに引っ越す必要はなく、整備計画の中で具体的に説明すると通知してきた」と説明しましたが、「誤解している方もいる」と認め、掲示などで周知徹底を図ることが示されました。
 また、高齢者が多いことをふまえ、入居者の現状を把握して住み替え準備を開始することも提案しました。
 市営住宅の1階スペースが商業施設になっている住棟について、産業経済部や管財などとの協議や、商業者との交渉が進んでいないことから、スピード感を持って進めることを求めました。

②障がい者・車イス住宅について

 市長は、車イス住宅の拡大を提案した際、「どういうやり方で、市営住宅の将来にわたる計画を捉え考えていくのか非常に難しい」と答弁しており、難しい課題なだけに将来的な住宅行政のビジョンを整備計画に位置づけることを提案しました。
 担当部長は「入居状況や申し込み状況、今後の需要などをふまえて整備計画に各方針を定めていきたい」と答弁しました。

▼安全安心

①除雪と安全対策について

今年の冬は降雪量が多く、テカテカ路面でけが人が多く、転倒によるけがでの救急出動が127件(前年度57件)だったことを示し、「雪害として対応すべきではなかったのか」とただし、想定外の雪に対応できるよう対策を求めました。
 担当部長は「気象警報は発令していないこと、交通マヒや家屋の損壊がないので、災害対応までかんがえていなかった」と説明し、「今後、異常気象による全庁的な対応が必要な場合は、災害対策として対応していきたい」と答弁しました。
 また、テカテカ路面で「せめて砂をまいてほしい」という要望が続出し、「ホームセンターで砂が売れ切れだった」との声もあった一方、市にお願いをして町内会館に砂を持って来てもらい、希望者に配布した町内会があることを紹介し、町内会との連携と丁寧な市民周知の必要性をただしました。
 担当部長は「周知が不足していた。今後は広報などで周知をしていきたい」と答弁しました。

②原発について

 今年2月4日に、国は初めて暴風雪を想定した泊原発3号機事故の訓練を実施しましたが、緊張感も切迫感もない、実効性のない訓練だったとの報道がありました。この訓練における市長の評価と、「想定外」や「万が一」には対応できないとの認識を持つことを求めました。
 訓練について、市長は「非常に意義のあるもの」と評価し、想定外への対応については「新たな基準で絶対的な安全性は確保できるわけではない」と認めつつ、「より一層の安全向上に取り組むことが不可欠」と答弁しました。

③米軍戦闘機訓練移転について

 沖縄の現状から負担軽減になっていないこと、オスプレイ等の事故が後を絶たないこと、市街地上空を飛行しない、議会中は訓練を避けるなどの要請も守られず、治外法権的な対応であることから、「これ以上の訓練移転はすべきではない」と市長の姿勢を質問しました。
 市長は「北朝鮮、中国などの社会情勢の変化」「抑止力の維持」などを縷々述べ、「沖縄に集中している負担を可能な限り軽減したい」と、今後も訓練移転を継続する考えを明らかにしました。

▼苫小牧案件における道との連携について

 児童相談所の分室設置、特別支援学校の建設、道道の維持管理費、産業技術支援センター建設など課題が多いことで、市長は「道議会で、苫小牧案件ばかりだという印象を持たれた」と述べていたことから、「道が約束をしたもの、市が要請したものについて、整理して取り組むべき」と提案しました。
 副市長は「全てを早期に実現することは困難」と述べながらも、「一概に順位をつけるのは難しいが、特に市民にとって重要な案件は優先したい」と答弁しました。

<行政報告>

駒澤大学の移管について・・・渡辺満議員

 駒澤大学が市に相談せずに京都育英館に経営移管したことは、市と大学とで締結した協定書の「信義誠実の義務」に反する行為だと指摘しました。市長は「信義誠実の義務を軽視されたことは遺憾である」との認識を示しました。
 また、駒澤大学開学時(平成8年)に市有地を無償譲渡及び無償貸与した際に結んだ契約書の「原状回復義務」があることを示し、「市に無断で京都育英館に、市民の財産である土地を勝手に使用させるべきではない。一度市に返還させるのが協定書及び契約書に沿うもの」と指摘しました。部長は「議員の指摘は当然」と、市・駒澤大学・京都育英館の3者で協議する考えを示しました。
 議会後の4月14日、全議員が召集される議員協議会(公開)が開かれ、3者協議の内容や無償譲渡・無償貸与の土地の取り扱いについて市から報告されることになりました。

<予算委員会>

▼一般会計・・・小野寺幸恵委員
※渡辺満議員は、一般会計予算委員会の委員長を務めました。

①総務費

●18歳選挙権と投票率向上について
 「18歳選挙権 あなたは選挙に行きますか?」という設問で、昨年党地区委員会青年学生部が9ヵ所の高校で実施したシールアンケート結果(選挙に行くが64%、行かないが19%、わからないが17%)を示し、18歳と19歳の実際の投票率が38%であることと比較し、乖離に対する認識と課題について質問しました。
 市が行なったアンケート結果でも、「選挙に行く」と回答した高校生は65%だったことを説明し、「始めて設置したイオンでの投票率が高かった」と、投票しやすい環境整備が課題であることが明らかになりました。
 また、高校別にみると生徒の投票意識に差があることを指摘し、「選挙に行かないと回答した生徒が多い高校に対し、選挙管理委員会が高校と連携して選挙の大切さを知ってもらう取り組みをすることが大切」と提案。さらに、「学校祭と重なって、選挙に行けない」と言っていた生徒がいたことを紹介し、期日前投票の周知徹底の重要性を求めました。

②民生費

●民生委員のアンケートについて
 民生委員が毎年おこなっている『高齢者実態調査』の中から、医療キットや緊急通報システム、配食サービス、紙おむつサービスなどの項目が削除された問題で、「さまざまなサービスを聞き取りすることで、必要なサービスを提案・提供でき有効だった」と指摘し、「民生委員さんの負担軽減は理解できるが、市はそのフォロー(補完)をどのようにして必要なサービスを高齢者に提供するのか」と質問しました。
 担当部局は「ふくし大作戦の取り組みのなかで、通信を発行したり、広報とまこまいなどで発信する」と答弁しましたが、高齢者には紙媒体ではなく面談での説明が重要であることを指摘し、方策・ルールを作って対応することを求めました。

●子育て支援相談員の体制強化について
 子育て支援相談員は、4名全員が嘱託職員で1名が欠員のまま、嘱託職員は最大9年間しか継続勤務できないことを指摘し、「厚生労働省から業務量にあった職員の配置と専門性の確保をふまえた対応をするよう支持されているのに改善されていない」と、これまで正職員化を求めてきた経緯があり、新年度の体制について、改めて質問しました。
 担当部局は「相談員の負担感が多い」「スキルや専門性が求められる」との認識を示し、新年度は正規の専門職を配置するとともに、体制強化のために北海道の職員の派遣もあることを明らかにしました。

●生活支援課ケースワーカーの充実
 生活保護行政を担うケースワーカーの担当件数は、1人80件が目安となっていますが、現状では平均88件も担当しており、慢性的な超過状況であることから、改善を求めました。
 担当部局は「80になればいいのか」と疑問を呈し、3年から4年で人事異動があるためにノウハウが上がらないことも課題であることを説明し、「有資格者の配置が必要」「総務部と協議したい」と答弁しました。

③環境衛生費

●公衆浴場水質検査における報告書の掲示について
 公衆浴場の水質調査を義務化するための法改正があり、多くの県ではそれに合わせた条例改正を行なっていますが、北海道は条例を改正していないため、各公衆浴場での水質調査は「努力義務」となっています。このことから、党市議団は昨年北海道に出向き条例改正を求めた際、「指針を策定して対応しているので条例は必要ない」との回答でした。
 北海道とのやり取りを示し、水質調査の有無を質問。担当部局は「義務ではないが、各公衆浴場では調査をしている」と答弁がありました。
 また、「調査結果を掲示することで安心できると」との市民の声を紹介して掲示を求め、浴場協会と協議することが示されました。
後日、担当部局から「掲示をすることで了解を得た」との回答がありました。

●戸別収集について
 市長は、市政方針で「家庭ごみの戸別収集について、多面的な機能について検討する」と述べていることに触れ、「多面的とはどういう意味か」と質問。担当部局は「災害時の避難誘導などを考えている」と答弁したため、「現実的なのか」と再度質問すると、「安否確認ができないかどうかを模索している」と訂正しました。
 また、昨年1年間試行的に実施した戸別収集の検証と今後の考え方について質問。担当部局は「市民アンケートでは、おおむね良かったとの回答だったが、収集作業ではスタッフの負担が大きいとの声がある」と説明し、もう少し作業現場をみながら費用対効果を含めて検討することが答弁されました。

●資源物中間処理事業費について
 老朽化と狭隘化で課題だった資源化センターが28年度で終了し、新年度から民設民営で資源物中間処理施設が稼動することから、3月の試運転の状況や今後の稼働状況について質問しました。
 担当部局から、現在機器の調整中であること、3月中旬に職員の研修をおこない4月1日からスタートすることが説明されました。

●沼ノ端第2埋め立て処分場整備事業費について
 可燃ごみを焼却した後の焼却灰を埋め立てる第2埋め立て処分場予定地の一角に、上記の資源化センターが立っているため、埋め立て施設の規模と資源化センターの解体が課題になっており、その方向性を質問しました。
 第2埋め立て処分場は、ごみ量が減ったことで小さい規模で可能になり、資源化センターの建物も水処理施設として活用することが示され、事業費が約1億5,000万円軽減されることが明らかになりました。

●糸井清掃センターの休廃炉について
 ごみの資源化と減量化にともない、糸井清掃センターの存廃が検討されてきましたが、市政方針では「休廃炉の準備を行なう」と表現していることから、「休」の意味について質問しました。担当部局は「平成30年に沼ノ端クリンセンターの長寿命化が終了したあと、安定的に稼動できるかどうかを見る必要があるため、休の可能性を残したほうがいいと判断した」と説明し、「休」の期間については「半年間が限界」と答弁しました。
 また、糸井清掃センターの廃炉は、そこで働く職員の仕事を奪うことになるため、「市の方針によって失業者生むことがあってはならない」と対応を求めました。市長は「しっかり対応したい」と約束しました。

⑤商工費

●港管理組合の負担金について
 10年程前までは、党市議団は港管理組合負担金に反対の立場を取ってきたましたが、負担金の削減策に取り組みながら、東港へのコンテナターミナルの集積による沖待ちの解消と取り扱い貨物量の増、それに連動する背後地の機能強化、さらには党市議団が提案した管理組合の機構改革の実施など、「評価でききる」として予算に賛成してきた経緯を示したうえで、市政方針で述べている「臨海ゾーンの新たな物流機能の構築」による負担金への影響について質問しました。
 市長は「10年間をみると、岸壁の老朽化と耐震化に重点を置き、新規の整備に取り組んでいない」と説明し、「来年には20年、30年先を見据えた長期構想を策定する。負担金にも影響は出るとは考えるが、市民生活に支障が出るようにはしたくない」と答弁しました。

●漁港区の違法建築物について
 漁港区に、建築基準法違反の漁業組合の建築物が複数あり、平成25年に市から『是正勧告』を受けている問題で、漁業組合は違法建築物の撤去計画(改善プログラム)を市に提出することになっていましたが、未だに提出がありません。27年の9月議会では、副市長は「27年度中に漁港区の将来ビジョンが完成するので、それに合わせて改善プログラムを提出してもらう」と答弁していました。
 この経緯を示し、「いつになったら改善プログラムが出されるのか」と質問。「27年の9月と28年度の4月に是正計画を出すよう漁協と協議しているが、未だに出されていない」と都市建設部が答弁。港担当部局は「今年2月に港管理組合に改善プログラムの案が提出された」と答弁したため、「案とは何か。本来は市に是正計画を提出するものではないか」とただしました。
 漁協から管理組合に提出された改善プログラム案を協議して、案が取れる状態にした後、是正計画を策定して市に提出するというスケジュールであることが説明されました。
 また、党市議団が改善のために提案していた共同倉庫の建設についても質問。国土交通省から屋根付き岸壁の建設許可が下りたことを説明し、共同倉庫の建設計画を作ることを明らかにしました。

⑥土木費

●公園の違法建築物について
 公園に物置やプレハブなどの建築物を設置する際、公園の占有許可申請と同時に、規模によって建築確認申請が必要です。建築確認申請が必要な建築物は6ヵ所ありますが、そのうち1ヶ所しか申請をしていないことから、市の説明責任をただしました。
 公園に建築物を設置しているのは主に町内会ですが、担当部局は「公園の占有許可申請書に、関係法令を遵守することと記載している」と答弁したことから、「関係法令とは何で、どんな手続きが必要なのか書いているのか。あなた達は専門家だから知っているかもしれないが、市民は判断できるのか」と追及すると、「説明が足りなかった」と認めました。
 そのうえで、「違法建築物を正すには町内会の負担になる。市が説明不足だったことを認め、しっかり謝罪してうえで、理解が得られる解決策を取るべき」と強調し、市の対応を求めました。

●道道の維持管理について
 道道の中央分離帯にぽい捨て多く景観が悪いことから、環境衛生部にパトロール事業者への聞き取りをお願いした際、随時清掃作業をしていると回答があったことを紹介し、随時作業しているのに全くごみがなくならないことに対する疑問を呈しました。市道はごみを拾ったうえで草刈をしており、日常的にもごみ拾いを行なっていることから、「道道は草刈の後にもごみが散乱している。市道と同様の手法をお願いできないのか」と質問しました。
担当部局から、毎年11月に除雪に関する打ち合わせがあり、そこで協議することが説明されたことから、「11月では遅い」と指摘。道道の管理者とぽい捨てについての連携を図ることが示され、ごみ拾いについては「申し入れは行なっていきたい」と答弁しました。

●雪氷対策費について
 砂の予算について、「今年の冬はテカテカ路面で砂の需要が多く、代表質問で町内会と連携して住民に砂を提供することを求めたが、例年通りの予算で大丈夫なのか」と質問。担当部局は、「26年と27年の予算ベースで算出したため、予算が組み込めなかったが、必要な分は補正予算で確保したい」と答弁しました。
 また、危機管理室が作成している『冬期雪害対策マニュアル』について触れ、「雪害」との位置づけには至らない場合でも、雪害に準じた対策を検討する必要があることを提案し、消防や上下水道部など、他部署連携の対策を求めました。

●住宅管理費

住宅敷地内の安全対策について

 市営住宅の敷地内の除雪やテカテカ路面の安全対策は、入居者責任になっていますが、日吉・光洋の事例をあげ、「1番高齢化率が高い住宅であり、自力で除雪ができない」「テカテカ路面で外に出られない高齢者がおり、何日もお風呂にも通えなかった方もいた」と、対策を求めました。また、入居停止住宅でもあることから、多くの空き家があり、入居者責任も限界があることも指摘しました。
担当部局は「除雪の必要性は理解するが難しい」と答弁したため、党事務所の職員が住民の要望で砂をまきに行ったことを示し、「本来、市のやるべきことではないか」と指摘。あらためて「来シーズンまでに対策を考えたい」「砂をまくことも考えたい」と答弁しました。
さらに、住宅課は都市建設部にありますが、同部内の道路維持課との連携が全くないことも指摘し、「市道のパトロールの際、住宅内もパトロールをして、住宅課と連携することが重要」と提案しました。

C判定住宅の住み替え促進について

 C判定の建て替えや用途廃止などを進めるうえで住民の住み替えが必要になることから、「いつ大きな地震が来るかわからないのに、市営住宅での住み替えでは時間がかかる」と、民間のアパートなどを借り上げるなどの民間活用を提案しました。そのうえで、どの程度借り入れ可能な住宅があるかを調査することを求めました。
 担当部局は「民間活用は検討したい」と答弁し、不動産会社を通じて調査することが示されました。

⑦教育費

●学力向上の取り組みについて
 教育基本法での教育の目的は「人格の完成」であり、「学問の自由を尊重」することを目標にし、「個人の価値の尊重し、能力を伸ばし、創造性を培い・・・」とあることを示し、「市教委が提唱する『学力向上アクション』や『学力UP!ハンドブック』は、テストで点数が取れる勉強、画一的な教え方推進になり、教育の目的に逆行するのではないか」と質問しました。
 市教委は「自ら学ぶ授業を目指している」「授業の完成を目指し、知識の定着、学力向上を目指すもの」「不要な学びをなくすため」などと説明し、教育基本法には逆行しないと答弁しました。

●樽前小学校の改修について
 先の一般質問で、党市議団が老朽化が著しい樽前小学校の改修を求めたのに対し、「必要な改修費は新年度予算に計上する」と答弁していたことから、新年度での改修計画について質問しました。
 市教委は「質問で指摘があった箇所は全て改修する」「その他、学校側から要望が上がっている項目についても改修する」と答弁し、30項目の要望のうち26項目の改修を行なうことが明らかになりました。

●統廃合後の明徳小学校の活用について
 錦岡小学校との統廃合後の明徳小学校の活用について、特別支援学校にする方向性が検討されてきました。統廃合の地域合意がなされたことから、進捗状況について質問しました。
 特別支援学校の設置について、市教委は「昨年11月に道教委に正式な要請をした」と答弁し、12月12日の道議会でも前向きな検討があったことも明らかにしました。
 また、障害者差別解消法の施行を踏まえ、道教委は『特別支援学校高等部の新しい形(障がいの程度区分から学ぶ内容を選択できる区分への変更)』を示し、平成32年から実施するとしています。新年度予算で錦岡小学校の増改築設計予算が計上されているものの、その後の明徳小学校の改築を考慮すると32年には間に合わないことを指摘。市教委は「道教委は、32年に発表する計画のなかに載せることを考えている」と答弁しました。

●ジャージ登校について
 市教委がジャージ登校を禁止したことについて触れ、「着替える場所がなく、男女が教室で一緒に着替えている」「制服の痛みが早く3年間もたないために経済的に大変」などの声が教員や保護者から上がっていることを紹介し、「制服登校を基本にしつつも、授業内容に応じた柔軟な対応が必要」と提案しました。
 市教委は「男女が一緒に着替えている事実はない」と、更衣室や空き教室などを活用していることを説明しましたが、「では、なぜ教員や保護者から声が上がるのか。現場を調査すべき」と求めました。
 柔軟な対応については、「柔軟な対応をした結果、過去に制服の日が数日だったという反省がある」と説明しましたが、「反省があるのであれば、教訓として生かせる」と、学校側との協議を求めました。

●ナナカマド教室について
 党市議団は、戦中・戦後の混乱期に学校に通えなかった人たちへの学び直しの機会として、夜間中学校の開設を提案してきた経緯があり、ニーズの把握と対象者の掘り起こしを兼ね3年前に『ナナカマド教室』を開設してきましたが、現状は生涯学習的なものとなっていることから、本来の目的に沿った教室にすることを求めました。
 市教委は「潜在化する対象者への周知方法はない」と答弁し、地道に継続することが重要であることが示されました。
 また、不登校だった若者を対象にする取り組みについても質問。市教委は、夜間の部を開設して小学校5~6年生の国語と算数を教える取り組みをすることを明らかにしました。

●科学センターについて
 平成21年に、科学センターのプラネタリウムの更新を提案した際、財政的な課題から「難しい」との答弁でしたが、平成2年に更新した古い機種で部品がないことや、コンピューターソフトも「いつ動かなくなるかわからない」と説明していました。また、星の数も6,500個と少なく、当時センターでは「市民が何度も来たくなるセンター」「学校などの授業を補完する教育施設」の観点から、更新の必要性を訴えていました。
 今議会で、市民ホールには含めず単独の科学センターを建設するとの方針が示されたことから、あらためて、プラネタリウムの更新について質問しました。
 現在のプラネタリウムは、年間900回投影し、大切な学習機能であることが説明されましたが、一層機種の古さが深刻化し、投影を中止せざるを得ない時もあったと答弁。また、札幌では1億個の星が投影できる機種があるとの説明もありました。
 新たな科学センターのおけるプラネタリウムについて、市教委は市民や学校などの意見を聞いて判断していきたいとの考え方を示しました。

●新第2給食センターについて
 昨年の6月に、学校給食共同調理場運営審議会から「美原地区が適地」との答申が出たことを受けて市教委の見解を質問。美原町の学校建設用地に建設することが明らかにし、今年度実施設計を行い、平成33年度に稼動開始することが示されました。
 心配されていた隣接パークゴルフ場は、これまで通り運営できるとし、町内会から要望がある避難所機能についても、今後検討していくことが答えられました。

▼企業・特別会計・・・冨岡隆委員、工藤良一委員

①国民健康保険事業会計

●滞納世帯への対応について 
 低所得者が多く加入している国保会計ですが、「滞納額には満たなくても分割納入をしようと思い、窓口にお金を持ってきたのに受け取ってくれなかった事例がある」と示し、納税相談に対する丁寧な対応と分割納入に対する対応について、改善を強く求めました。
 担当部局は「今回のケースについては、調査して対応したい」と述べましたが、納税相談は1日多い時で80件、少ない時でも50件あることを明らかにし、「臨戸訪問で本人と接触することを基本に取り組んでいる」「分割納入については、きめ細やかな対応をしている」との答弁にとどまりました。
 29年1月31日現在、滞納世帯は2,904件(加入世帯の11.7%)、そのうち100万円未満が1,840件(12.1%)にもなっています。
 国保の都道府県化についても質問し、人員を増やして丁寧な市民説明をすることを提案しました。副市長は「現状では大変厳しいが、今の体制で取り組み乗り越えたい」と答弁しました。

②霊園事業会計

●共同墓について 
苫小牧市共同墓について、受け入れ数が3,000体から5,000体に変更したことを評価しつつ、「なぜ所管の委員会や代表質問で報告しなかったのか。あまりにも乱暴な決め方であり議会制民主主義のルールからも問題」と理事者の姿勢をただしました。
 担当部局は「3,000体については、昨年6月、9月の議会で承認されたもの」と認めたうえで、5,000体への変更について「12月のパブリックコメントなど住民の声を聞いて判断した。5,000体に設計変更するにあたり、労力と頭を切り替え、綿密に計画する必要があって間に合わなかった」と弁明しました。
 副市長は「大きな変更は議会に報告するべきだったと反省している。しかし、市民の声を具現化するため、ぎりぎりまで検討したことだけは理解してほしい」と釈明しました。
 市民周知について、担当部局は「7月と8月に市内3ヶ所(東・中央・西)に分けて開催し、市民説明会をおこない、市民からの意見も丁寧に聞く」と説明しました。

●霊園会計の存廃について
 霊園改修は28年度で終了し、29年度で全体の見通しがたつことから存廃の判断ができることを指摘し、市の考えを求めました。
 担当部局は、市の起債償還が28年度で終了すること、30年度から共同墓の運用がはじまることなどを説明し、「次期造成計画は共同墓の状況を見ながら策定するため、会計閉鎖の可否については30年度に一定の判断をしたい」と答弁。霊園整備基金については「維持管理が必要なため、残していきたい」と答えました。

●霊園のバリアフリー化について
 スロープがお墓まで続いていないため、お墓参りができなという車イスの市民の声を紹介し、改善を求めました。
 担当部局は、第2霊園のスロープについては、29年度に仮設のスロープを設置し、次年度に正式なスロープを設置することを示し、「関係部局と協議し予算化していく」と答弁しました。
 その後、後日担当部局が現地視察を行い、29年度から年次計画で6ヵ所に正式なスロープを設置する方針となり、要望のあった箇所はお盆までには設置することが決定しました。 

③介護保険事業会計

●介護離職者の実態について
 「利用者が安心して介護を受けられるようにするためには介護職員の人材確保は欠かせない」と、介護職員の離職実態と対策について質問しました。
 担当部局は「国の基準は満たしているが、人材確保は難しい」と説明し、26年度は109名の採用に対し113名が離職、27年度は165名の採用に対し190名が離職、28年度は134名の採用に対し113名が離職と、3年間の合計で離職者が増えている実態が明らかになりました。

●介護職員の処遇改善について
 処遇改善の問題では、再三にわたって介護労働者の実態把握を求めてきた経緯があり、担当部局は「事業所に対しアンケート項目を検証しながら聞き取りを含めて実施する」と約束しました。

●地域包括支援センターについて
 高齢者人口が増加して相談件数の多い実態から、第7期計画に向けて現在の7ヶ所の包括支援センターから8ヶ所に増やすことや、職員を増員することを提案しました。
 担当部局は、「現在相談業務は多忙だと聞いている」と認めながらも、「制度として包括支援センターの委託料の上限が決まっている」「1ヶ所増やして解消できるかを検証したい」と述べ、「市として地域支援事業の中で過大になっている業務をどうするのか、委託費を増やすことができるのか検討する」と答弁しました。

●認知症の方の障害者手帳取得について
 認知症で障害手帳を取得すると、介護保険料の軽減、おむつ代補助、上下水道基本料免除などが負担軽減になることから、実態把握と市民周知をすることを提案しました。
 担当部局は、「6ヶ月以上障がいが固定され1級の通院の方ではないと該当にならない」「個別のケースによって違うので、個別で対応する必要がある」と述べながら、「障害手帳が必要な理由などについて、ケアマネージャーに周知徹底したい」と答弁しました。

④後期高齢者医療特別会計

●保険料見直しの影響について
 後期高齢者医療制度は、75歳以上の年齢で区別し、無年金者からも保険料を徴収することから、「姥捨て山」と反対の声が全国で広がった経緯があります。国は、制度創設時から『保険料特例軽減』を実施してきましたが、29年度から保険料の見直しを実施。その影響について質問しました。
 担当部局は「所得の低い加入者の特例軽減は当面維持されるが、一定の収入のある方に対して保険料が値上げになる」と答弁。27年度当初の賦課時点で所得軽減を受けている2,167名と元扶養者で均等割軽減を受けている572名(合計2,739名)に影響があることが明らかになりました。
 特に、被保険者で均等割軽減を受けている572名は、年間保険料が現行の4,900円から3倍の14,900円になることが明らかになりました。
制度のひどさが浮き彫りになり、「長生きしてほしいという気持ちがどこにあるのか」「取れるところから取る高齢者いじめの制度だ」と指摘し、制度撤回を強く求めました。

(後期高齢者医療制度予算に対する党市議団の反対討論)

 保険料の見直しによって所得の低い人への特例軽減は当面継続とはいえ、元扶養者で均等割軽減を受けている被保険者572名の保険料が現行の4,900円から3倍を超える14,900円に引き上がり、全体として加入者の2,739名が影響を受けます。しかも、北海道の保険料は、全国でも均等割で8番目、所得割では5番目と高い保険料になっています。
 加入者の多くは、わずかな年金で暮らしている人が圧倒的です。年金の引き下げなど医療・介護の負担はますます大きくなっているもとで、これ以上の値上げは到底認めるわけにはいきません。よって、後期高齢者医療会計予算に対し反対いたします。

⑤市立病院会計

●医師確保について 
 「市民の命と健康を守る上で医師の確保は大前提ではないか」と述べ、市立病院での医師の現状と確保策について質問しました。
 担当部局は「これまで病理、放射線治療、精神内科の医師不足のため常勤化されていない点が多い」と答弁。現状は、泌尿器科や小児科、循環器内科が増えている一方、内科や呼吸器内科、産婦人科、皮膚科の医師が減になることが明らかになり、「市内の医療機関にお願いし、市内全体として安定した医療を提供していきたい」と答弁しました。
 医師の確保について、副市長は「市民の命と健康を守る視点から市立病院に対する期待は大きい。市あげて取り組みたい」と答弁しました。

⑥卸売市場会計 

●廃棄物の回収設備について
 苫小牧青果市場では、ダンボールなどを改修するための設備を青果事業者がお金を出し合って用意したことを問題視し、「本来市場が用意すべきものではないか」「青果事業者が負担した費用は市場が負担すべき」と指摘しました。
 担当部局は「今後、費用の問題を含めて市場運営会議で話し合っていきたい」と答弁しました。

<常任委員会>

▼厚生常任委員会・・・小野寺幸恵委員

①陳情について

 北海道勤医協労働組合から、『介護保険制度の改正の見直しを求める要望意見書提出に関する陳情』と『安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善を求める要望意見書提出に関する陳情』が提出さら、両陳情は全会派一致で趣旨採択となり、本会議でも採択され、国へ要望意見を出すことが決定しました。
 『介護保険制度の改正の見直しを求める要望意見書提出に関する陳情』は、要介護1・2の福祉用具貸与や生活支援を介護保険から外して地域支援事業へ移行することや、利用料2割負担の対象拡大を見直すこと、介護職員の確保と処遇改善を国に求める内容で、要介護1・2が地域支援事業に移行した場合、市での対応が困難であることが質疑で示されました。
 また、『安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善を求める要望意見書提出に関する陳情』は、医療・介護現場での夜勤交代制の環境改善が求められたもので、市が実施した聞き取り調査では、20床以上の市内13医療機関のうち10カ所で2交代制の夜勤で16時間勤務であることや、2014年に日本看護協会が実施した調査結果では、全国で57%の医療機関が2交代制(16時間勤務)であることが報告され、労働環境改善の必要性が明らかになりました。

▼文教経済委員会・・・工藤良一委員

①ナナカマド教室について

 戦中・戦後の混乱期に就学できなかった人を対象に「学び直しの場」として始まったナナカマド教室に、「基礎学力の不足で仕事が続けられなかったり、正規で雇用されない場合もあり、ワーキングプアにも連動する」と、いじめなどで不登校になった若者も対象にすることを提案してきました。
 新年度から、若者を視野に夜間の部も開設することになったことを受け、腰を入れた継続事業にし、労働者のスキルアップとワーキングプア対策に寄与する取り組みにすることを求めました。

▼総務委員会・・・冨岡隆委員

①学生支援について

 党市議団が提案し、30年度から実施することが決定した奨学金制度の利子補助制度の問題で、「なぜ今年度の予算に計上しなかったのか」と、理事者の姿勢をただしました。
 この制度は、地元の大学へ進学した場合に利子を補助することに加え、市外の大学や専門学校などで学んだ若者が苫小牧で就職した場合に教育ローンの返済利子を補填するものです。
 担当部局は「国の給付型奨学金の制度ができるという情報を得るために時間がかかったこと、金融機関でいろいろな制度があり、統一した形で進めなければならないため間に合わなかった」と弁明。国が進める給付型奨学金制度の動向に加え、各金融機関との調整を図りながら29年度中に制度を固めて、30年度の当初予算に計上することが示されました。

<特別委員会>

▼安全・安心及び市民ホール建設に関する特別委員会・・・渡辺満委員

①日新町ガス爆発事故及び火災について

 2月3日に警察署から苫小牧ガス株式会社へ事故の中間報告があり、2月21日に苫小牧ガスより消防本部にその「内容報告」があり、委員会に「内容報告」の資料と合わせ、消防本部からの経過報告がありました。
 消防本部の経過報告資料に「消防に報告がない中で、新聞報道が先行したことは誠に遺憾」と記載していることに触れ、「2月3日以降に苫小牧ガスとやり取りをした際、中間報告の内容を聞かなかったのか」とただすと、消防本部は口頭での説明があったことを認めました。「一方的に、苫小牧ガスを悪者にするのは正しくない」と指摘し、経過報告資料の訂正を求めました。
 また、苫小牧ガスと消防本部で交わしている『ガス漏れ及び火災・爆発事故の防止対策に関する申し合わせ』は、昭和56年(1981年)に交わしたものであることから、今回の事故を教訓に見直しをしていることが明らかになり、見直し内容を資料として提出するよう求めました。
 消防本部より、「これまでガス事業者に聞き取りを行い報告してきたが、現状として本委員会に対して説明しかねる状況になっている」との提起があり、苫小牧ガス側も「依頼があれば議会に対し説明を行なう準備はある」との意思表示があることから、議会終了後の31日に本委員会を開会し、4月12日参考人招致をすることに決定しました。

▼総合開発特別委員会・・・冨岡隆委員

①戦闘機の安全対策とオスプレイの配備について

 担当部局から、訓練期間中に起きた高知沖でのFA18の墜落事故や、沖縄でのオスプレイの事故について、安全対策に万全を期すことや事故原因などの情報提供を北海道防衛局に要請しているとの報告があり、今回は沖縄でのオスプレイのAクラスといわれている墜落事故について、市長の認識をただしました。
 市長は、「戦闘機であれ、民航機であれ、日本の空域を飛行する場合は、安全を確認した上で飛行する姿勢が必要ではないか」「米軍にはオスプレイの飛行について心配している国民がいる以上、安全を確認した上で飛行させる気持ちが必要」と答弁しました。
 オスプレイの配備について、市長は「安全保障の政策上、抑止力を高めるという意味で、一定の効果がる」との認識を示しました。